書評・読書

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やりたいことがある人は未来食堂に来てください 食堂を舞台にしたビジネス書

東京の神田神保町に、カウンター12席だけの定食屋さんがあります。未来食堂という名前の食堂で、経営されているのは「小林せかい」さんという方です。今回の書評はその小林さんの三冊目の本になります。 実は前作は読んでいません。この本は書店を散策しているときに、出口治明さん推薦という帯の文言に惹かれて買ってみました。購入してから数ヶ月積読状態だったのですが、先週末に積読本を整理しているときに見つけ、気になったので読んでみました。 少し変わった定食屋さんのお話です。「少し」ではないかな。かなり変わった定食屋さんです。大阪在住の私としては、お店が東京にあるので、気軽に訪問できないのがすごく残念です。 やりた…
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すぐに一億円 小さな会社のビジネスモデル超入門 儲る仕組みの作り方

社長の仕事というのは実際は一つだけです。それは儲る仕組みを作ることです。では儲る仕組みって何でしょうか。サラリーマンである私は明確な答えを持っていなかったのですが、週末に立ち寄った本屋さんで、答えが書いてある?本がありました。 「すぐに一億円」って凄いタイトルですねー。自分でビジネスをしている人にとってはそうでもないのかもしれませんが。 仮にラーメン店だとすると、月に約833万を売り上げれば年間で1億円に届く計算です。でも、月に833万円とすると、週一回は休みとして営業日が25日なので、1日に約33.3万円を売上がないといけないということですね。 年間売上 1億円 月間売上 約833万円 1日…
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失踪HOLIDAY 乙一氏の心があたたまる誘拐事件

発行されたのが2000年なので、もう18年前の作品です。帯に「映像化」とあるように、2007年にはテレビドラマにもなっています。 著者の乙一氏は、知っている人は知っていると思いますが、押井守さんの娘さんと結婚しているので、押井守の義理の息子さんになりますね。 乙一氏の作品は切なくも心があたたまる作品と、そうでないブラックなものとがあります。失踪ホリデイは前者ですね。ホラーっぽい作品もあるので、著者で作品を選ぶタイプの人は注意が必要です。 失踪holiday posted with ヨメレバ 乙一 角川書店 2001年01月 Amazon Kindle 楽天ブックス 7net 失踪HOLIDAY…
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早雲の軍配者 純真な青年の風魔小太郎は想像できなかった

風魔小太郎(ふうまのこたろう)というと、北条氏に仕えた忍者の棟梁というのが一般的な認識だと思います。忍者集団である風魔一族を束ね、身長が2mを超える筋骨隆々の大男で、眼光鋭く牙さえ生えていた、といわれていますが、この本に出てくる風魔小太郎は全く印象が異なります。 ゲームに登場する風魔小太郎も、忍者として描かれていることがほとんどですね。 (出典 戦国無双4) でも、この本の小太郎は純真な青年です。いや、物語の冒頭で登場したときは数えで13歳なので、少年と言っていいでしょう。軍配者シリーズは三部作になっており、その一部の主人公がこの風間小太郎(かざまこたろう)になります。 (出典 Amazon)…
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お金2.0 柔らかな頭で居続けるために読むべき新しい経済の解説書

以前に茂木健一郎氏が、人間の脳で最も素晴らしいのは可塑性だ、と発言されていました。この可塑性というのは英語にするとplasticityで、柔軟さや適応力、形を変えられる、という意味になります。 もし、ずっと柔軟な思考力を保ち続けたい、という考えをお持ちであれば、一読する価値のある本です。 「お金2.0」というタイトルですが、お金の稼ぎ方を指南する本ではありません。内容を正確に表現しているのは副題の方です。「新しい経済のルールと生き方」という言葉がこの本の内容を的確に表現しています。 お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book) posted with ヨメレバ 佐藤…
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長篠の四人 信長の難題 苦労人の徳川家康がいつもの3人に翻弄される

歴史小説が好きで、それが高じてランキング記事まで作成しちゃったのですが、中でも好きなのが鈴木輝一郎氏の四人シリーズです。 主要登場人物は信長、秀吉、家康、光秀の四人で、この四人が強敵と戦いながらドタバタ劇を繰り広げる、というのがお約束の展開です。今回は長篠の戦いが舞台なので、強敵として登場するのは武田勝頼ですね。 (出典 Amazon) 武田勝頼は武田信玄の影響もあり、あまり評価が高くない武将なのですが、史実では武田信玄が武田家を率いていた頃よりも領地は広がっています。戦闘においては信玄よりも能力が高かったという意見もあり、最近では再評価されている武将でもあります。 長篠の四人 信長の難題 p…
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光秀の定理 モンティ・ホール問題を使った変わった試みの歴史小説

モンティ・ホール問題という定理をご存知でしょうか。 定理というか確率の問題といってもいいかもしれません。それを上手く歴史小説に織り込んだ作品が光秀の定理です。 モンティ・ホール問題に関しては非常におもしろいので、一度記事にしてみたいとずっと考えていました。誰もが間違う確率の問題といっていいでしょう。私も最初はまったく理解できませんでした。 モンティ・ホール問題とは何か? モンティ・ホール問題の解説 最初にある扉は三つ 挑戦者が扉を一つ選ぶ 答えを知っている司会者がヒントをくれる 扉を変えた方が当たる確率は高くなる 扉が三枚のケース 扉が十枚のケース 光秀の定理でのモンティ・ホール問題の使われ方…
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ちょっと今から仕事をやめてくる 人生応援ストーリーという言葉がぴったしの物語

本の帯の文句は中身と合っていないことが多いのですが、この本はそうではありません。帯に書かれた言葉と内容がすごくマッチしています。 「全ての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー」 ちょっと歯の浮くようなセリフですが、その通りの物語です。 「最後に泣けます」とあるのは看板に偽りありかな。泣ける物語ではなく、読後感の良い温かくなる物語です。 実はこの本は昨年末のお薦め本の一覧で紹介させていただきました。 年末年始にこころからお薦めしたい本 ジャンル別 7選 今回、もう一度ブログに書こうと思ったのは、友人との会話がきっかけです。何かお薦めの本はない?、と話していたところ薦められたのがこの本でした。 ち…
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日本電産永守重信が社員に言い続けた仕事の勝ち方 永守重信氏の語録

永守重信氏というと日本が誇る名経営者の一人ですね。日本電産を創業し、戦略的なM&Aで、今なお会社を成長させ続けている名物社長です。 私が永守氏に興味を持ったのは、そのハードワーカーぶりからです。 1日の労働時間は16時間 休みは元旦の午前中だけ 生活に必要な睡眠や入浴などに8時間を割り当てて、それ以外の16時間はずっと仕事をしておられるようです。そして休みは1年365日のうち、元旦の午前中だけです。 過労死とかワークライフバランスという言葉が、空虚に感じるレベルのハードワーカーですね。その永守重信氏の語録を集めて編集したのが本書になります。 永守重信氏と日本電産という会社 永守語録 休みたけれ…
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自分の小さな「箱」から脱出する方法 「箱」という概念を用いて自己欺瞞を解説

ビジネス本というよりは自己啓発に分類される本でしょうか。 全米でベストセラーになり、続巻も次々と発売されている「自分の小さな「箱」から脱出する方法」のレビューです。 前から気になりつつも、中々読む機会がなかったのですが、今回一気に読んでみました。 少し本題から外れるのですが、良い本というのは中々値下がりしないですね。私は古本屋さんが好きで休日によく行くのですが、この本はほとんど値下がりしていませんでした。 まあ、良い本でもブックオフの100円コーナーに、すぐに並んじゃう本もあるので、需要と供給の問題なのかもしれませんが。 自分の小さな「箱」から脱出する方法 posted with ヨメレバ ア…
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