AfterEffectsで初心者向けに背景画像をループさせる方法を解説します。以前に解説したエフェクトをループさせる方法よりも、簡単に作成することができます。映像をループさせるコツを掴むのにはちょうど良いと思います。
映像をループさせるコツは、のりしろ部分の後ろを映像の先頭になるように調整することです。
映像を用意とディゾルブの解説
まずは映像を用意してAfterEffectsに配置します。今回はロイヤリティフリーのサイトからダウンロードした映像を使用します。
10秒ちょっとの風景映像です。画像が切り替わるタイミングがはっきりと分かると思います。この切り替わりがわからないように映像をディゾルブでループさせます。
ディゾルブとは重ねた映像を段階的に表示させて行く方法です。クロスフェードとほぼ同義です。
一応、この2つには違いがあって、
- ディゾルブ 一方の画像を段階的に表示させる
- クロスフェード 双方の画像を段階的に切り替える
という形になります。
オーバーラップということもありますが、オーバーラップは上に重ねる表示物を指すこともあります。この辺りは、会社や業界によっても微妙に異なるので、深く気にすることはないでしょう。
不思議とディゾルブループということはあっても、クロスフェードループということはありません。理由は・・・私にはわかりませんが(^^;
映像を重ねてのりしろ部分を作る
映像を重ねてのりしろ部分を作成します。
AfterEffectsのタイムラインです。複製した映像の先頭部分を、225フレーム付近に持ってきます。
上に重ねた映像にタイムリマップを適用します。タイムリマップの機能自体は使用しません。タイムリマップを使用する理由は上に重ねた映像のフレームが何番なのかを知るためです。
映像のフレーム数を知る方法は他にもありますが、タイムリマップはショートカット(Ctrl + Alt + T)があるので、一番手っ取り早いでしょう。
今回は93フレーム目なので、この映像の先頭を94フレームにすれば映像が繋がることになります。
AfterEffectsのタイムラインはこんな感じです。
上に重ねた映像の最終フレームが93フレームなので、映像自体の先頭を94フレームから始まるように設定し直しました。これで映像の終わりと最初は繋がったことになります。
さて、終わりと最初は繋がりましたが、このままだと225フレーム部分で映像がパキっと切り替わってしまうので、画像が徐々に表示されるように(ディゾルブで表示されるように)、調整する必要があります。
CC Image Wipeの解説
エフェクト→トランジション→CC Image Wipeと選択します。
Completionが映像の切り替わる度合いです。completionは完了という意味ですね。コンプリート(complete)の名詞形です。
225フレームのCompletionを100%に、最終フレームを0%に設定します。これで最終フレームで重ねた画像がすべて表示されるようになります。
Border Softnessは切り替わる部分にソフトなボケ足を追加してくれます。ガツンと100%に設定すれば、ほぼ違和感なく映像をディゾルブさせることができます。
Gradientは対象とするレイヤーや何を基準にディゾルブさせるかを選択することができます。この辺りは使用する映像によって調整すると良いと思います。今回はデフォルトで使用しました。
完成映像がこちらです。元の映像は10秒ちょっとありましたが、のりしろ部分だけ映像が短くなっているので、完成映像は7秒ちょっとになっています。
ループ映像を作成するときは、のりしろ部分だけ映像が短くなることも考慮する必要があります。
まとめ ー 上に重ねた映像の最終フレームをムービーの先頭に
映像製作でループ映像を作成することはよくあります。多いのがカットイン映像の背景とかですね。ゲームではそれほど作成する場面は多くはないですが、遊技機だと必須といってもいいくらいです。
今回はCC Image Wipeを使用しましたが、映像によっては透明度を変化させるだけでもループ映像ができたりします。重要なのは上に重ねた映像の最終フレームが映像の先頭になるようにすることです。
ディゾルブループはコツさえつかめば誰でもできるので、参考にしていただければと思います^^
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