思えば「センゴク」シリーズも長くなりました。
- センゴク
- センゴク天正記
- センゴク一統記
- センゴク権兵衛
現在の「センゴク権兵衛」は四部作目になりますね。物語は秀吉による九州征伐の序盤である、戸次川の戦いまで進んでいます。
主人公である仙石秀久は、この後に北条征伐での大名復帰と、関ヶ原の戦い(仙石秀久は参戦していないが)があるのですが、残り巻数を考えるとそこまでは描かれないのかもしれません。
過去の作品がすべて15巻で終わっていることを考えると、センゴク権兵衛は北条征伐を経て、大名に復帰したところで大団円になりそうな気がします。
戸次川の戦いでの仙石秀久の最大の失態
戸次川の戦いで軍監だった仙石秀久は、手柄を立てるために無謀な作戦を敢行し、島津軍に大敗します。この敗戦で、長曽我部元親の嫡男で将来を嘱望されていた長曽我部信親と、讃岐や阿波に地盤を持ち、秀久の盟友だった十河存保が戦死します。
そして仙石秀久は逃げました。
敗残兵をまとめることもなく、自分の領土である淡路島まで戻ってしまったのです。現地に踏みとどまって兵をまとめ、秀吉の沙汰を待てば、また展開は違ったと思うのですが。
史実で実際に敗残兵をまとめたのは長曽我部元親であり、元親は伊予に留まって信親の遺体の引き渡しの交渉も行っています。
嫡男である信親を亡くした元親の落胆は大きく、その後の長曽我部家の行方を左右したことは間違いないでしょうね。
11巻はある意味穏やかな話
戸次川の戦いが終わって11巻は穏やかな展開が続きます。
戦に負けて改易となった戦国大名を描いたマンガも史上始めてではないでしょうか。敗残のセンゴク権兵衛を労る妻のお藤が健気でかわいいですね。いい嫁さん、という感じがします。
ところどころ史実と異なるセンゴクびいきがありますが、これは主人公なのでまあ、良いかな。ずっと読んでいるとこのマンガの主人公のセンゴク権兵衛に、愛着が湧いてくるから不思議な気がします。
数年前に司馬遼太郎の「夏草の賦」を読んだときは、仙石秀久という武将が大嫌いだったのですが。
羽柴秀吉と茶々のロマンスも
11巻では久しぶりに戦国時代の浅井家の三姉妹の長女、茶々も登場します。信長の妹で絶世の美人といわれたお市の娘ですね。後の淀君です。
茶々はその美貌を生かして成り上がっていくという展開です。大奥、という言葉は当時はまだなかったと思いますが、側室の序列はあったでしょうね。秀吉は女好きで側室は多かったでしょうから、そこから成り上がっていくのも大変なのでしょう。
そして、秀吉が茶々の品定めをするシーンがあるのですが、こんなことを戦国時代にやっていたのかな(^^;。さすがに分かりません。
まとめ ー センゴクは高野山へ
センゴク権兵衛11巻は、センゴクが高野山へと行く意思を決めたところで終わります。
ちょっと気になるのは、センゴク権兵衛の息子達がまったく登場していないことです。史実では仙石秀久には跡を継いだ仙石忠政の上に、二人の兄が存在しています。要はこのときには男児が3人以上いた筈なのです。
娘は何度か登場していますが、息子が出てきていないのは何か意図があるのでしょうか。
まあ、なにはともあれ、四部作にもなったセンゴク権兵衛の物語もあと少しなので、楽しみつつも読み進めることにします。
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