電車の中で隣に座った女子高生が髪を梳かしていた話

思い出話

少し前のお話です。私がいつも利用している路線の電車は座席が二人がけのタイプです。進行方向に向かって二人がけの座席が二列並んでいるのです。

当然のことながら、見知らぬ人と二人で並んで座ることになります。

 

時刻は日曜日の午後のことでした。自宅に帰る電車の中で、私の隣に制服姿の女子高生が座りました。真っ黒なストレートの長い髪の女の子でした。

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電車の中で髪を梳かす女子高生

 

日曜日なのに制服? 部活の帰りか何かかなあ・・・

 

 

そう思ったもの特に気にはしませんでした。それよりも座る時にちらった見えた女子高生の顔があまりにも可愛かったので、隣りに座っただけなのに、何となくドキドキしていましたw

 

女子高生は席に座ると、いきなり髪を梳かし始めました。

ちなみに私は電車の中で髪を梳かそうが、化粧をしようが、パンを食べようがあまり気にしません。社会的にどうのこうのとは考えない人間です。でも、それは周りの人に迷惑をかけないことが前提です。

 

女子高生の髪は長く、彼女が髪を梳かす度に、髪が時々私の服に当たりました。

 

携帯電話で会話を始める

彼女は髪を梳かしながら、時々鏡で自分の容姿を確認しています。何かに憑かれたようにその作業を繰り返しています。隣に座っている私のことは気にもしていないようです。

 

私は少しずつ不機嫌になっていきました。前述したように私は電車の中で化粧をしようが気にしない人間です。でも髪がしょっちゅう身体に当たるとなると話は別です。

 

そのとき、彼女の携帯電話の着信音が鳴り響きました。

 

うん。そう。今から。ダメかもしれないけど。

ありがと。頑張ってみるね。じゃ電車だから

 

 

二言三言だけ会話をすると、彼女は携帯電話を切りました。

 

携帯電話を切り、電車を下りる彼女

携帯電話を切ったあとは、彼女は髪を梳かすのを止めて、ずっと何かを考えこんでいるようでした。時折り手鏡を取り出して自分の容姿をチェックしています。

 

私は電車の中では、スマートフォンでゲームをしているか本を読んでいます。この時は本を読んでいたので、真横にいる彼女の様子はあまり分かりませんでした。いや、正確には彼女の様子が気になって、あまり本の内容は頭には入って来ませんでしたが。

 

その後、ある駅についたときに彼女は立ち上がりました。

ここで下りるのか、と思ったのですが、彼女は立ち上がったまま静止しました。どうしたのだろうとふと横目でみると、鞄を前で抱きしめたまま何か考え込んでいるようです。

 

しかしそれも一瞬で、彼女はその駅で電車を降りました。

 

今日、彼女はどんなイベントがあったのだろう

時間にすれば10分くらいのことでしょうか。

もちろん彼女がどこの誰なのかは分かりません。その後、彼女がどうしたのかも分かりません。

 

それでも、彼女にとって電車を降りたあとに、何か重要なイベントがあったのでしょう。

 

 

彼氏への告白かなあ。それともバイトの面接か何かだろうか

 

 

色々と考えるうちに、彼女が髪を梳かしていたときに抱いた不快感は消え、応援する気持ちだけが残っていました。

 

人生で10分間だけすれ違った、隣に居合わせただけの人間だけど、君のことを応援しているよ。

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