今まで様々な開発プロジェクトに参加してきました。ゲームが大半なのですが、遊技機もありましたし、映画の映像やVRの製作もありました。
様々な開発プロジェクトに参加していると、成功するプロジェクトと失敗するプロジェクトがなんとなく見えてきます。もちろん様々な条件があるので、一概にはいえないのですが、成功するプロジェクトは変人がリーダーであることが多いようです。
もちろんこの「変人」というのはいい意味で使用しています。
変人とよばれた首相
変人という言葉で呼ばれた政治家が居ます。それも日本の首相です。小泉純一郎元首相ですね。
小泉氏の首相としての成果が、成功かどうかはここでは議論するつもりはありません。ただ首相として長期政権を保ち、数々の実績を残したのは事実です。
そして最近、変人だなあ、と思うのが元横綱の貴乃花親方です。優勝22回の大横綱なのですが、その言動は少し変わっていると感じます。
ある親方が、大横綱なんてのは大概少し変わっている、と仰ってましたが、その通りなのかもしれません。
プロジェクトを成功させる変人
プロジェクトを成功させるリーダーは、
- 個々の意見をよく聞く
- それぞれの意見を調整する
という調整型のリーダーよりも、変人型リーダーの方が成功すると思います。変人型というか、俺がルールブックだ、的なタイプですね。
自分の中で明確な基準があって、それに即してプロジェクトを進めるタイプです。このタイプの方は話しているとすぐに分かります。
それに関してはAさんが担当なので、Aさんの意見を聞いてから進めます
というような調整型の意見が返ってくることがありません。それについてはこうこうこうなので、こう進めます、と明確に返ってきます。
自分の中で明確に基準が決められていて、調整したり逡巡したりすることがないのです。そのためプロジェクトがどんどん進みます。
もちろん自分勝手という訳ではなく、任せるところは担当に任せるような度量の広さも持ち合わせている必要がありますが。
良い言い方をすれば豪腕リーダー
実際に過去のプロジェクトで、この手のタイプのディレクターと一緒に仕事をしたことがあります。過去の会社での話ですが、彼はプランナー件ディレクターとして、20人+協力会社7人のチームのリーダーでした。
総勢30名弱ものチームのまとめ役だったのです。
それだけの人数が居たにもかかわらず、チームは本当にうまく回っていました。私自身は別のチームに居たのですが、あまりにも順調なので、チーム運営に何か秘訣があるのかと不思議に思い、チームのメンバーに聞いたことがあります。
すると、どのメンバーからも返って来る答えは一つでした。
「ディレクターに聞けば即答してくれるので」
まだ開発段階のゲームなのに、ディレクターの頭の中には完成したゲームが入っているのか、聞けばすぐに答えてくれるので、プロジェクトが滞るということがないのです。
協力会社の管理も大変だろうと思い、本人に直接聞いたことがありました。そしたら、担当のチーフデザイナーに任せているので、何の問題もないとの返答でした。
そのとき協力会社に任せているのは3DCGだったのですが、ディレクターは仕様に関係するところだけをチェックして、CGとしてクオリティはチーフデザイナーに一任していたのです。
チーフデザイナーに聞いても、仕様はすぐに答えてくれるし、CGの部分は任せてくれるのでやりやすいとのことでした。
まとめ ー 自分の中に基準がある人は強い
プロジェクトで運営で、自分の中に明確な基準がある人は強い、と思います。強いというか速いのです。プロジェクトが実に速やかに進みます。
上でも書いたディレクターと、ランチを一緒に食べたときに聞いたことがあります。
そんなにすぐに決定して間違えていたらどうするの?
すると彼はきょとんとして、
間違えていたら修正しますよ。
と返事が返ってきました。何を当たり前のことをいっているのだ、という感じの返答でした。
当たり前といえば当たり前なのですが、ゆっくり考えても間違えることはあるし、それなら、即答して間違えてもあとで修正したほうが速い、ということなのでしょう。
そして得てして、直感で即答したことの方が正しかったりしますしね。
まあ、私自身は正直なところ調整型の人物なので、そういう才能はないなあと落ち込んでいたりするのですが(^^;
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