子どもの頃から不思議に思っていたことがあります。それはコロッケが肉屋さんで売られていることです。とんかつなどの肉料理なら肉屋さんで売られているのも分かりますが、コロッケって肉料理ではないですよね。
どういう由来で、コロッケが肉屋さんで売られるようになったのかを調べてみました。
コロッケの起源は?
日本のコロッケはフランスのクロケットを元に創られた料理だといわれています。では誰がクロケットをコロッケとして生み出したのでしょうか。
コロッケの起源を調べてみると、明治時代の鹿鳴館時代に作られ始め、明治30年の頃には普及していたようです。明治28年に女性誌の「女鑑」の11月号に「コロッケ」が掲載され、12月号には「仏蘭西コロッケ」が記事になりました。
コロッケ
じゃがいも(馬鈴薯)を使用
仏蘭西コロッケ(クロケット)
小麦粉と牛乳を使用
「女鑑」に掲載されたコロッケはどちらも俵型でしたが、材料は異なっており、別の料理と認識されていたようです。
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料理店で最初にコロッケを出したのは煉瓦亭
料理としてのコロッケを最初に提供したのは、東京の銀座にある老舗洋食店の煉瓦亭です。煉瓦亭はオムライスの記事を書いたときにも出てきました。是非とも一度行ってみたいですねー。
提供したのはカニが入ったクリームコロッケだったそうです。形は俵型だそうなので、どちらかといえばクロケットになりますね。日本風のコロッケではありませんでした。
ちなみに煉瓦亭では、今でもじゃがいもを使ったコロッケはメニューにはありません。じゃがいものコロッケはあくまでもは賄いメニューで、お客さんに出すことはないそうです。
コロッケを生み出したのはチョウシ屋
日本風のコロッケを生み出したのは、歌舞伎座の近くにあるチョウシ屋です。
初代店主の阿部清六氏が洋食店で働いていたときに、メニューの一つとしてコロッケを提供しています。
大正6年頃、阿部氏は日比谷公園の近くにあった「長楽軒」というお店で働いていていました。あるとき、親子連れのお子さんが「コロッケを食べたい」とねだったことがあったそうです。当時のコロッケは高級料理だったため、子どもにはなかなか食べさせることができませんでした。
阿部氏は子どもに食べさせることのできる安価なコロッケを作りたいと考え、じゃがいもを材料に平べったく仕上げました。それが日本風コロッケの始まりです。当時は、ミックスフライのようにフライ料理の一品として提供されていました。
肉屋で売られるようになった理由
「長楽軒」のコロッケは好評でしたが、お店は残念ながら関東大震災で倒壊してしまいます。阿部氏は肉屋を開業し「長楽軒」で好評だったコロッケを惣菜として販売し始めました。
コロッケは爆発的に売れましたが、阿部氏はレシピを独占しようとはしませんでした。子どもにコロッケを食べさせたい、という想いから、同業である肉屋にレシビを次々と教えたそうです。
それが肉屋でコロッケが売られるようになった由来です。
まとめ ー 高級料理を子どもに食べさせたかったから
調べてみたら、コロッケが肉屋さんで売られている理由は、メニューを考えられた方が高級料理のコロッケを子どもに食べさせたかったから、でした。
いい話だなー^0^
東京出張のときはチョウシ屋にも必ず寄ることにします^^
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