今から半年前のある日の夜のことです。仕事で帰りが遅くなり、最終電車を利用することになってしまいました。仕事で疲れていたこともあり、電車の中ではうたた寝をしていたのですが、自分の最寄り駅がアナウンスされたので、慌てて電車を降りました。
ところが、降りた駅はいつもの見慣れた最寄り駅とは、まったく違う光景が広がっていました。
車掌さんがアナウンスを間違えた
自分の駅で降りたはずなのに、なぜか見たこともない知らない駅なので不思議な感覚でした。駅名をあらためて確認すると、最寄り駅の一つ手前の駅でした。
どうやら最終電車の車掌さんが駅の名前を間違えてアナウンスしたようでした。ふと隣をみると、サラリーマン風の男性が呆然と立ち尽くしています。彼も私と同じようにアナウンスにつられて降りてしまったのでしょう。
ようやく事態を飲み込んだときには、最終電車は既に発車した後でした。
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アナウンスの影響で取り残された人たち
車掌のアナウンスの影響で間違えて電車を降りてしまった人は、私も含めて5-6人居たようでした。最終電車ということもあり、駅員さんにクレームを入れている人もおられました。
私はどうしようか少し迷いましたが、クレームを入れても電車を運行してくれるはずもなく、一駅なので最寄りの駅まで歩くことにしました。車掌さんのミスではあるのですが、ミスしない人間は居ないので、まあ、こんなこともあるよな、とつぶやきながら駅を出ました。
コミュニーケーション能力に優れた男性
駅を出て階段を降りたところで、ルートを確認していると、いきなり見知らぬ男性に声をかけられました。
あの、すみません。○○駅に行かれます?
あ、はい。○○駅が最寄り駅なので、歩いて行こうかと。
じゃあ、良かったら一緒にタクシーを利用しませんか。彼女も同じ方向なので三人で
ふと、男性の後ろを見ると、彼に声をかけられたらしい女性が居ました。
ちょっと迷いましたが、最終電車で時刻が遅くなっていたことと、歩くのも正直億劫な気持ちがあったので、男性の提案に乗ることにしました。
見知らぬ彼に感心して話はおしまい
タクシーの中で、男性ともうひとりの女性と少しだけ会話をしました。一駅だけなので、タクシーに乗車していた時間は5分くらいでしょうか。
話していた内容を箇条書きにすると、
- 車掌がアナウンスを間違えた
- アナウンスにつられて男性も女性も駅を降りてしまった
- 男性が女性に声をかけた
- 一人だと怪しまれるかなと思ってもう一人誘いたかった
ということのようでした。誘われたもう一人というのが私のことですね。
私を誘ってくれた男性の機転とコミュニーケーション力に感心しました。間違っても私にはできないかな。いくらタクシーに乗るといっても、女性は男性と二人切りだと警戒するでしょうから、もう一人誘いたかったのでしょう。
最寄りの駅についてタクシーの精算を終えると、三人で軽く挨拶をして、それぞれ別の方向に去っていきました。
ちょっと蒸し暑い夏の夜の不思議な出来事でした。
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