最近は携帯ゲーム機や、スマートフォンのポリゴンの表示能力もかなり上がってきました。それでもポリゴン数をなるべく少なくなるように作成するのが、ゲーム開発の基本です。いわゆるローポリゴンモデリングですね。
今回はそのします。
そういえば、以前に2Dの節約方法は記事にしたことがありました。
このときから、3Dのデータ削減についても記事にしよう、と考えていたのですが、ようやく今回アップすることができました。ちょっとだけ(10ヶ月くらい(^^;)間が空いちゃいましたが、今後もゲーム開発ネタは定期的にアップする予定ですので、お付き合いいただければ嬉しく思います。
ポリゴンは結合させずぶっ刺す
以前に3Dとはまったく関係のない職種についている友人に、ポリゴンを結合させず刺しているだけ、という話をしたらすごく驚いていました。
- 人の耳
- コップの取っ手
- テーブルの脚
いくつか例を上げてみましたが、上記のようなモデルをローポリで表現するときは、ポリゴンは結合させずに刺しているだけです。
たとえばテーブルの脚の場合、テーブルの天板と脚は別のオブジェクトですが、天板と脚は結合している状態ではなく、天板に脚が刺さっているだけなのです。
3Dソフトでサンプルを用意してみました。天板と脚は一つのオブジェクトではなく、別々に作って重なった状態になっているだけなのです。
ローポリだとこれはけっこう当たり前で、人の耳や剣の柄などでもこうすることが大半です。
参考までに、上のテーブルの天板と脚のオブジェクトのポリゴンメッシュを実際に繋げてみます。
こんな感じでポリゴンがすごく増えてしまいます。でも、実際のレンダリング結果はどちらも変わらないので、ほとんどの場合でぶっ刺しが用いられています。
現実世界だとあまりない、というか、考えにくい概念なのかもしれません。
ローポリの球は四角から作成する
ローポリの球は3Dソフトのパラメトリックオブジェクトで作成するのではなく、四角型をスムージングさせて作成します。
ちなみにパラメトリックオブジェクトとは、パラメータで定義されたオブジェクトという意味で、数値設定で変更できるオブジェクトのことです。Mayaだとパラメトリックオブジェクトとポリゴンオブジェクトの区別がないのですが、他の3Dソフトだと明確に区別されてたりします(ポリゴンに変換するコマンドがあったりする)。
ポリゴンの違いは画像で説明すると一目瞭然です。
これはMayaの基本機能で作成した球状のオブジェクトです。ポリゴンが上下に集まっているのが分かると思います。ポリゴン数は三角分割で数えて264です。
これは四角形にスムージングをかけたあとに、ポリゴン化したオブジェクトです。ほぼ球体になっていますが、ポリゴン数が抑えられているのが分かると思います。ポリゴン数は三角分割で数えて192です。
四角形→スムージング→ポリゴン化のやり方は、Mayaで美女を作るの第一回で解説しているので、参考にしていただければ幸いです。
3Dで美女を作る【第1回】。Mayaでの顔の作り方の序盤を紹介
円柱の下の部分のポリゴンの貼り方
円柱を作成すると、円柱のフタに当たる部分は、円の中央に頂点ができます。
こんな感じですね。これもポリゴンの無駄使いなので、中央の頂点を削除して面を張替えます。
こうすることで、ポリゴン数を少し節約することができます。
- コップ
- ゴミ箱
- 消化器
- 薬瓶
- ペットボトル
ゲーム内の登場しそうな円柱状のオブジェクトをいくつかピックアップしてみました。これらの底やフタは、実際のゲームでは、ほとんどが上記のようなポリゴンの構成になっています。
作業効率重視で、ポリゴン数が気にならないシーンとかの場合は、前者のケースもあるとは思いますが。
まとめ ー ローポリのポリゴンの節約方法の紹介でした
ゲーム開発における、ローポリでのモデリングのポリゴンの節約方法のご紹介でした。
実際にはこれらはどちらかというと、小手先のテクニックで、重要なのは形を維持するための、必要なエッジ(線)を残すことだったりします。
この辺りはまたあらためて解説したいと思います。
(10ヶ月後になったらすみません(^^;)
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