いきなりですが、学校の教室を思い浮かべてください。
貴方は教室に座っています。目の前には黒板と教卓があります。
しばらくすると教師がドアを開けて教室に入ってきました。
さて教師が入ってきたのは貴方から見て、右側ですか?、それとも左側ですか?
学校の場合は採光の配慮と教師は生徒の味方
冒頭の教師が入ってきた方向の答えです。ほとんどの人が右側から入ってくるシーンを思い浮かべたのではないでしょうか。
実際に日本のほとんどの学校が右側に入口が設定されています。これには理由が二つあるといわれています。
右利きの人が見やすくするため
- 窓から光が入りやすい
- 手の影が教科書に落ちないように
- 右利きの人への配慮
日本の学校は窓から光が入ったときに、手の影が教科書やノートに落ちないようにしています。右利きの人への配慮ですね。
窓が左側にあるので、必然的に入り口は右側になります。もし、窓が生徒からみて右側にあれば、右手の影が教科書に落ちて見にくくなります。
味方は右に。教師は生徒の味方
- 味方は右から登場
- 教師は生徒の味方
伝統的に日本では右側に味方を、左側に敵を配置します。教師は生徒にとって必ず味方なので、右側から登場しないといけないのです。実はこれは私が学生の頃に学校の先生から聞いた話です。その先生は、教師は必ず生徒の味方なんだよ、ということをいいたかったのだと思います。
私はずっとその先生の話を信じていたのですが、今は右手の影が教科書に落ちないように、という理由の方が大きいんじゃないかなー、と考えています。
舞台やアニメ、映像における上手と下手
舞台やアニメ、映像では上手は向かって右側、下手が向かって左側になります。
舞台や映像の場合は、基本的に右側に味方を配置します。敵が左側ですね。
ガンダムでいえばアムロは右側、シャアは左側です。ほとんどのシーンでそうなっているはずです。
物語の進行も、右側から左側に進行します。
サザエさんでキャラクターは玄関を出て左向きに歩いていきます。家に帰ってくるときは左側から出てきて右向きに歩きます。
ドラえもんでも同じですね。家から出かけるときは左向きに、家に帰るときは右向きに進みます。もっともドラえもんの場合はタケコプターで出かけちゃうことも多いので、あまり参考にならないかもしれませんが。
舞台については私はそれほど詳しくはないのですが、役者がぶつからないように入場するときは右側から、退場する時は左側からと決められているようです。
ゲームの場合は味方は右か左か?
さてここからが私にとっては本題です。ゲームの場合、味方は右に配置すべきなのか、左に配置すべきなのか?
実はこれは非常に悩ましい問題です。いくつか例を上げてみます。
右に味方ー左に敵
- スクランブル
- スパルタンX
- スカイキッド
- ボコスカウォーズ
- ファイナルファンタジー
- スーパーロボット大戦
- ロマンシングサガ
- ブレイブフロンティア
- グランブルーファンタジー
左に味方ー右に敵
- スーパーマリオ
- ザナドゥ
- グラディウス
- ドラゴンバスター
- ロックマン
- 魔界村
- ファイナルファイト
- R-TYPE
- ダライアス
- メタルスラッグ
- ストリートファイター
- KOF
- バーチャファイター
- 鉄拳
- 剣と魔法のログレス
- ヴァルキリーコネクト
プラットフォームやゲームジャンルを問わずに思いつくままにピックアップしてみました。ゲームの場合は左側に味方が配置されることが多い、といいたいところなのですが、ファイナルファンタジーやスパロボなどのビッグタイトルが右側が味方であることもあり、一概にはいえないようです。
※追記
コバろぐさんのからのコメントから、スカイキッドを追加させていただきました!
まとめ ー レバーとボタンの配置と映像の伝統
スクロール、対戦格闘が右向きの理由
- 操作するレバーが左側でボタンが右側
- ボタンを押したときに操作キャラの右にアクションが出ないとおかしい
操作するレバーが左側でボタンが右側に設置されている以上、ボタンを押したときに右側にアクションが出ないとインターフェイスとしては不自然です。だから横スクロールタイプは右に向かって進むし、対戦格闘ゲームのキャラクターは右に攻撃を出すのです。
戦闘シーンは左向きの理由
- 映像の演出に沿ったレイアウト
ファイナルファンタジーやスパロボなど、演出が豊富なゲームは映像の法則に従って味方を右側に配置しています。たしかにスパロボの戦闘シーンなどは演出が豊富で、味方が右側に居ないと違和感があるくらいですね。
とはいえ、例外作品も非常に多いので、ゲーム業界のデザイナーとしては頭を悩ませる日々が続きそうです・・・。
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