クラウドファンディング=資金調達じゃない。キンコン西野氏が凄い

オピニオン

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(出典 えんとつ町のプペル)

先日「ガリゲル」というテレビ番組を観ました。私は普段、あまりテレビを観ないので「ガリゲル」を観たのも初めてでした。

 

番組ではキングコングの西野亮廣さんが、中学生?くらいの学生に向けて話をされていました。その西野氏の話が非常に印象的だったのです。

それまでクラウドファンディングは資金調達するための方法のひとつ、と考えていた私の考え方を一変させる内容でした。

 

クラウドファンディングとは?

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(出典 A-port)

まずクラウドファンディングについて簡単に説明しておきます。クラウドファンディングとは、WEBやSNSを利用して支援者から資金提供を受けることです。

 

 

Wikipediaでの説明も、Webなどを利用した資金調達というように読み取れます。私自身もそう考えていました。

 

Wikipediaにはさらに、

金銭的リターンのない「寄付型」
金銭リターンが伴う「投資型」
プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」

という記載もあります。

 

さて、このうち西野氏がよく利用されているのは「購入型」です。この「購入型」というのが肝です。Wikipediaには記載はありませんが、これは資金調達が目的ではありません。商品の購入が目的なのです。いや、購入ではなく販売かな。

 

ガリゲルでキンコン西野氏が話した内容

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(出典 ガリゲル – Instagram)

ガリゲルでの西野氏の話を要約します。ただ途中から観ていたので、抜けがあることをご容赦いただければ幸いです。

  • 絵本は一般的にあまり売れていない
  • 分業制で「えんとつ町のプペル」という絵本を作った
  • 資金はクラウドファンディングで集めた
  • クラウドファンディングは有名だから成功する訳ではない
  • ロンブーの淳さんはクラウドファンディングで成功しなかった
  • ホームレス小谷という芸人は一日を50円で売っている
  • 彼が売っているのは信用
  • ホームレス小谷はクラウドファンディングで何度も成功している
  • 「えんとつ町のプペル」はクラウドファンディングでは利益がでなかった

西野氏はクラウドファンディングを利用して、「えんとつ町のプペル」という絵本を出版しました。重要なのはクラウドファンディングで絵本を作るための資金を調達したのではないということです。

 

出版業界で絵本はあまり売れていません。

 

「えんとつ街のプペル」という絵本を作ろうとしたときに、どうやって売るのかを考えたのでしょう。西野氏はクラウドファンディングの「購入型」を利用することで、出資者を得たのではなく顧客を作ったのです。

 

えんとつ街のプペルの販売価格は2,000円です。絵本としてはかなり高い金額でしょう。もし普通に販売すれば、数万部しか売れなかったかもしれません。芸能人である西野氏が制作していることで話題にはなったと思いますが。

 

そこでキンコン西野氏はクラウドファンディングを利用することを思いつきました。西野氏はクラウドファンディングの「購入型」で、出資者には本をプレゼントしました。

 

ここがよく考えるべきポイントです。

クラウドファンディングで出資してくれた人に本を送ること、それは一種の予約販売です。

 

クラウドファンディングでの出資は「制作に参加している」という連帯感も得ることができます。西野氏は予約販売と同時にファンも作ったといえるでしょう。

 

出版業界の流通まで考えていたとすれば

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もう少し突っ込んで考えてみましょう。ここからは「ガリゲル」で放送されていた内容から離れます。

 

それは出版業界の流通の仕組みです。

通常の書籍は書店に並ぶ前に取次を通ります。

出版社→取次→書店

書籍の裏に「日販」や「東販」というシールが貼られているのを見たことがある人もいるでしょう。それらが取次といわれる書籍の仲卸業者です。

 

つまり、書店で並んでいる本を買うと、

  • 書店の利益
  • 取次の利益
  • 出版社の利益

が引かれた上で製作者にお金が入ってきます。現実には出版社とは印税契約でパーセントを決めているので、引かれた分の残りが製作者の利益になる訳ではありませんが。

 

要は、本はマーケットに流通するまでに流通業者の費用がかかっているのです。

 

ところがクラウドファンディングの購入型にするとどうでしょうか。出資金は製作者に直接入り、取次や書店の取り分は引かれません。もちろん製本のために出版社の取り分は必要ですが、取次や書店を通す必要がないのです。

 

西野氏がそこまで考えてクラウドファンディングを利用したのかどうかは不明ですが、もしそこまで考えていたのなら・・・

 

こいつ、凄いわー(゚д゚;)

 

※注

西野氏が取次や書店の分の利益まで手に入れたのかどうかは確認できていません。

 

まとめ ー 資金調達じゃないクラウドファンディング

Twitterのタイムラインをみていると、出産費用をクラウドファンディングで調達しようとしているカップルが話題になっています。

 

個人的にはそれにはあまり興味がありません。純粋に資金調達(寄付)という目的でクラウドファンディングをしようとするのもいいでしょう。

 

それよりも。

芸人でありながら絵本を出版し、ディズニーを倒すと公言し、クラウドファンディングを活用しているキングコングの西野亮廣氏の動向の方がはるかに気になります。

 

2017年11月現在、「えんとつ町のプペル」のWeb版は無料公開されています。

spotlight-media.jp

2019年には西野氏自身が監督を務め、映画も公開予定です。今後の西野氏の動向が非常に楽しみです(^_^)

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