少し前にAIの進化で、キャラクターの彩色が自動でできることが話題になりました。そして今では彩色だけではなく、イラストそのものも自動生成できるようになっています。
そして今度は、3Dで都市が自動生成できるようになった、というニュースが出ました。
仮想世界の都市、AIが自動生成 ゲーム開発のコスト軽減 NVIDIAが新技術 – ITmedia NEWS
CGデザイナーとしては、ついにここまで来たかー、という感じですね。
(出典 ITmedia)
左が撮影された動画で、右がコンピュータで自動生成された都市の画像です。
都市を3Dで自動生成
グラフィックカードで有名なNVIDIAが公開した動画です。冒頭の都市は全て自動生成された3Dモデルで創られたコンピュータグラフィックスです。
今までは3DCGデザイナーがちまちまとモデリングして、テクスチャを描いて、マテリアルの設定をして・・・、といった作業を経て、ようやく3Dで都市が表現することができていました。
車やビルなどを全て人の手で作って、それを並べて動かして、ようやく動画が完成していたのです。それがAIで自動生成されるというだけで、正直なところ驚いています。
いや、いつかはこういう時代がくるかなとは思っていたのですが、意外に早くやってきました。私が職を失うのも近いなw
動画を元に自動生成した3Dモデルをインタラクティブにレンダリング
動画の解説を要約します。英語力は皆無なので(^^;、翻訳ではなくあくまでも私なりの要約であることをご容赦ください。
- 現実のビデオを元に作成
- ニューラルネットワークにオブジェクトを学習
- UE4を用いてインタラクティブにレンダリング
- 応用すればタレントのダンスを自分が踊っているような表現も
- 開発コストは従来の何分の一になる
- ドライブゲームで都市内を走ることができる
ニューラルネットワークというのは人間の脳を模したネットワークのことで、インタラクティブは双方向という意味ですね。ここでは既に設定された映像ではなく、ユーザーの移動に対して、建物や車、木などが自動生成されているという感じでしょうか。
そう遠くない未来の3Dゲームは?
今までは3Dで構築されたゲームは、そのデータを全てROMの中に収めてきました。ROMはカセットだったり、CDだったり、カードだったり、形や容量は変わっても、あらかじめ用意されたステージや世界でしか遊ぶことができませんでした。
HDDがゲーム機に装備されるようになり、ダウンロードなどでステージが追加されるようになったとしても、それは人の手で用意された世界でした。
それが近い将来、コンピュータが自動生成した世界に置き換わるかもしれません。ゲーム機にその機能が搭載されるのはまだ先だと思いますが、ネットワークの高速化と大容量化で、サーバーで生成された都市データをゲーム機に配信、という未来は近いうちに実現しそうですね。
まとめ ー 3DCGデザイナーは不要になるのか?
将来的には3DCGデザイナーの作業は大きく変わっていくでしょう。
今みたいに一からモデリングすることはなくなり、既存のモデルのカスタマイズなどが中心になるでしょう。人海戦術で大量のモデルを作成するのではなく、AIが用意したモデルを取捨選択し、ゲームに見合った世界観に落とし込んでいく作業が中心になりそうな気がします。
当然のことながら、開発チームの人員も減ることになるでしょう。手の空いた3DCGデザイナーはどうすれば良いのかはまだ私にも分かりません。
強者が生き残るのではなく、変化に対応し得るものが生き残る世界なので、デザイナーとして常に新しいことを勉強しつつ、変化に備える心の準備をするしかなさそうです。
なんか最後は精神論みたいになっちゃいましたが(^^;、この辺で。
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