私は小さなゲーム開発会社の採用担当兼営業兼プロジェクト管理兼CGデザイナー兼雑用担当管理職をしています。
採用担当をしていることもあって、会社にかかってくる採用関連の連絡は、全て私一人で対応しています。数日前のことですが、こんな問い合わせがありました。
サウンドデザイナー希望なのですが、応募させていただいてもよろしいでしょうか。
メールでの問い合わせだったので、応募書類も一緒に添えられていました。そして自身で作成されたサウンドのポートフォリオも同梱されていました。
ただ残念なことに、ほとんどの中小のゲーム開発会社ではサウンドデザイナーは募集していないのです。
- 中小のゲーム開発会社にはサウンドデザイナーは存在しない
- サウンドデザイナーが在籍しているのは大手開発会社かメーカー
- 中小企業のサウンド担当者はディレクタークラス
- まとめ ー サウンドデザイナーを志望される方は採用情報の確認を
中小のゲーム開発会社にはサウンドデザイナーは存在しない
応募された方は「中小のゲーム開発会社の方が、大手よりも入社しやすいのでは?」と考えて応募されたのかもしれません。デザインやプログラム系の職種だとその傾向はあると思いますが、サウンドデザイナーだけは別です。
というのも、サウンドデザイナーは中小規模のゲーム開発会社には存在しないのです。募集すらしていません。これはゲーム会社の採用ページをチェックしてもらえればすぐに分かると思います。中小の開発会社では、サウンドデザイナーの募集はほぼありません。
もちろんゲームの要素としてサウンドは必須です。でも中小の開発会社ではサウンドの専門職を置くことはなく、ほとんどが外注です。いや、外注することすら珍しいといっていいでしょう。
なぜなら、サウンドの仕事そのものを請け負わないからです。
サウンドデザイナーが在籍しているのは大手開発会社かメーカー
ゲーム開発会社が仕事を受託するときに、大きく分けると二つの請け方があります。
- 一機種請け
- 部分請け
一機種請けがゲーム開発を1本まるっと請ける方法で、部分請けが背景モデルだけを請け負ったり、キャラクターのモーションだけを製作したり、いわばゲーム開発の一部だけを請け負う方法です。
当然、後者にはサウンドは含まれません。一機種請けは含まれることが多いのですが、それでも発注元のメーカーによっては、自社で製作したりサウンド専門の会社に依頼したりします。
要はサウンドデザイナーが在籍しているのは、
- ゲームメーカー
- 大手ゲーム開発会社
- サウンド専門の開発会社
の3つになります。サウンドデザイナーを目指す方は、それ以外の会社には応募するだけ無駄になってしまうのです。
中小企業のサウンド担当者はディレクタークラス
中小企業にも稀にサウンドを担当する人が居る場合もあります。ただ、その場合はサウンドを製作する専門職という訳ではありません。ほとんどのケースで、クライアントもしくは協力会社と話をするために、サウンドが分かる人を雇用しているのです。
そのためディレクタークラスの人が多く、中には管理職兼サウンド担当や、別のプロジェクトの制作進行をしながら、サウンド関連だけはその人が管理している、というケースもあります。
新卒でサウンドデザイナーを目指す方は、中小企業よりも大手開発会社かゲームメーカー、サウンド専門の開発会社を狙ったほうが良いでしょう。
まとめ ー サウンドデザイナーを志望される方は採用情報の確認を
サウンドデザイナーを志望される方は、応募する企業がサウンドデザイナーを募集しているかどうか確認すると良いでしょう。ほとんどのケースで、大手開発会社がメーカー以外は募集していないはずです。
もしくはサウンド専門の会社を狙うのも良いと思います。サウンド専門の会社は比較的小規模なところが多く、大手よりも入社しやすいケースもあります。サウンド専門の会社は探せば結構あります。
サウンド専門の会社の場合は、ゲーム専門というよりは遊技機や放送系も含めてサウンド製作をされています(探せばゲーム専門もあるかも?)。ゲーム専門のサウンドデザイナーになりたい、という場合はメーカーか大手開発会社を狙うと良いでしょう。
ではでは、今日はこの辺で。
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