クラウドファンディングの「寄付」「購入」「金融」の3つの型について考える

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お笑いコンビ「キングコング」の西野亮廣氏の「革命のファンファーレ」を読み終えました。かなり前に購入してはいたのですが、積読本の中に紛れ込んでしまっていて、つい最近発見した(^^;ので読んだ、という次第です。

 

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書評はまた別記事にする予定なのですが、文中でちょっと気になることがありました。西野氏とは切っても切り離せないクラウドファンディングについてです。西野氏は「革命のファンファーレ」でクラウドファンディングについてこう述べています。

クラウドファンディングには大きく分けて3種類ある。

寄付型」と「購入型」と「金融型」だ。

 

クラウドファンディングの寄付型

寄付型は簡単ですね。純粋な寄付です。渡したお金がそのままクラウドファンディングの主催者に渡ると考えれば良いでしょう。クラウドファンディングのシステムによっては、お礼の手紙を設定したりするものもありますが、渡したお金に相当するものを得る訳ではありません。

 

たとえば寄付型クラウドファンディングで3,000円を贈れば、主催者はそのまま3,000円を手にします。まあ、寄付だからそういうものなのでしょう。

 

以前にニュースになった「出産クラファン」なども寄付型に分類されるのでしょうね。

 

クラウドファンディングの購入型

クラウドファンディングでもっとも一般的なものが購入型でしょう。西野氏が「えんとつ町のプペル」で行った方法も購入型ですね。

 

 

そういえば以前にも西野氏とクラウドファンディングについて書いていました。

 

今回はゲームに例えて考えてみます。

良いゲームのアイデアを思いついたとしても、ゲーム開発には敷居があります。

  • プログラム
  • グラフィック
  • サウンド

ほとんどのゲームで上記の要素は必要で、ゲームの種類によってはシナリオも必要になったりするでしょう。

 

それらを担当するスタッフを集めて(もしくは素材を購入して)、スマホ向けのインディーゲームを製作するのに1,000万円が必要になるとします。

 

この1,000万円をクラウドファンディングで事前に調達します。ゲームは1,000円で購入できる売り切り型のスマホアプリだとすると、10,000人の人から1,000円ずづをクラウドファンディングで調達すれば、制作費をゲットすることができます。

 

クラウドファンディングで集めたお金で「ゲーム」という商品を開発し、お金を払ってくれた人に販売するのがクラウドファンディングの「購入型」になります。一種の予約販売と同じですね。

 

クラウドファンディングの購入型はテストマーケティングを兼ねている

この方法の優れているところはテストマーケティングを兼ねていることですね。

 

 

先日、読了した本なのですが、この本の著者であり主人公の星野氏も、シンガポールの億万長者のテストマーケティングの結果、日本を飛び出すことになりました。

 

テニスコーチ事業で、シンガポール在住の億万長者の方は、テニスコーチを確保する前に地元紙に出張テニスコーチの広告を出したのです。そこで反応が良く、この事業に需要がある、と判断してテニスコーチである星野氏をシンガポールにダマして連れて呼び寄せました。

 

クラウドファンディングの購入型もそれと一緒で、テストマーケティングを兼ねています。

ゲームにばかり例えて恐縮ですが、

  • こんなゲームを思いついた!
  • でも売れるかどうか分からない・・・

というときに、クラウドファンディングで資金が集まれば「そのゲームには需要がある」ことになります。

 

うん、クラファンはテストマーケティングになりますねー。

 

クラウドファンディングの金融型とは?

もう一つ、西野氏が言及している金融型とは何でしょうか。文中では金融型については西野氏の説明はありません。自分で考える必要がありそうです。

 

金融型という言葉から連想されるのは、

  • お金を預けること
  • 預けたお金が増えること

でしょうか。

 

購入型の説明で使ったのはゲームの販売ですが、金融型では不動産で考えてみます。

  • アパート一棟を5,000万円で購入
  • 家賃収入は毎月100万円
  • 自己資金は3,000万円
  • 残りの2,000万円をクラウドファンディングで調達

クラウドファンディングで2,000万円を集める必要がある。でも投資先は不動産の購入なので、お金を出してくれた人に渡せるものはない。

 

そうなると、毎月の家賃から出資してくれた人に利益を分配することが「金融型」のクラウドファンディングではないでしょうか。

 

仮にクラウドファンディングで集める2,000万円を、一人のお金持ちが出したと考えてみます。

  1. 毎月100万円の家賃収入を出資者のお金持ちに渡す
  2. 元本の2,000万プラスアルファ分(100万円くらい?)になるまで払い続ける
  3. 21ヶ月で2,100万円をお金持ちに支払い終える
  4. 22ヶ月目からはクラウドファンディング主催者は100万円の家賃が利益
  5. 出資したお金持ちは2,000万円が2,100万円になって利益

実際には一人の金持ちということはないので、複数人に家賃を分配することになると思いますが、金融型の考え方としてはこういうことではないでしょうか。

 

まとめ ー クラウドファンディングと西野氏の考え方はおもしろい

クラウドファンディング=お金の寄付、とだけで考えていると、クラウドファンディングの本質を掴み損ねてしまうような気がします。

  • 商品の予約販売
  • 資金の事前調達
  • テストマーケティング
  • 制作側への参加

などなど、クラウドファンディングには考えるべき要素が詰まっていますね。

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