私が所属している開発会社はそれほど規模が大きくありません。協力会社や海外に仕事を依頼することもありますが、それよりも個人事業主に依頼することが多くあります。いわゆるフリーランスの方ですね。
そのフリーランスの方と仕事をするときに、
- もうちょっと別のやり方をしてくれればいいのに
- いや、その対応はまずいだろう
と思うことがときどきあります。
今回は発注側からみた「フリーランスの方にやって欲しくない対応」をまとめてみました。これの逆をやれば仕事が確保できます、とまでは断言はできないのですが、少なくともクライアントさんにいい印象を与えることは間違いありません。
- 初めての打ち合わせなのに名刺を持ってこない
- 電話で名前(屋号)を名乗らない
- 身だしなみはきちんとした格好で
- ポートフォリオはなるべく多く
- 守秘義務を守らない
- メールのシグネチャに何も記載しない
- できない仕事は受けないようにしよう
- まとめ ー 発注側からみたフリーランスへのお願い
初めての打ち合わせなのに名刺を持ってこない
そんなやつ居る!?
っと、突っ込まれそうな見出しですが実話です。初めての打ち合わせなのに、今は名刺を切らしてまして、といって名刺を持ってこなかったのです。こちらの名刺はもちろん渡しましたが、名刺がないなんて「この人に仕事を依頼して大丈夫か?」と少し不安になりました。
初めての打ち合わせのときに名刺くらいは必ず用意しましょう。
慣れたクライアントさんのところに伺うときでも、名刺は必ず用意しましょう。打ち合わせ先で別の担当者が出て来る可能性もあります。
名刺は作ってないのですが、サイトがあるので○○で検索してください、と仰ったフリーランスの方もおられましたが、クライアントに一手間かけされる(検索させる)、時点で他のフリーランスの方に一歩リードされていることを認識しましょう。
電話で名前(屋号)を名乗らない
電話をかけたときに「はい」や「もしもし」としか名乗らない方がいます。
自分の名前、もしくは屋号がある場合はその屋号を必ず名乗りましょう。
会社で電話に出るときに自社の名前を名乗るのは当たり前です。電話対応なんて新卒が一年目に習うレベルのことです。フリーランスであっても仕事を受ける以上、きちんとした電話対応をしましょう。
相手が全然名乗らないので「○○様の携帯電話でしょうか?」とこちらから聞く必要があるのですが、それだけでこの人と仕事していて大丈夫かな、と不安になります。
身だしなみはきちんとした格好で
服装は自由です。普段着でまったく構いません。
ただ身だしなみはきちんとしておきましょう。
この場合の「身だしなみ」というのは清潔感のある服装という意味です。パリッとした清潔感のある服装であれば、ジーンズであってもまったく問題ありません。
髪はボサボサで横に広がっていて、ヨレヨレの服装で打ち合わせに来られた方がいました。その方に仕事は依頼はしましたが「もし良ければ他も紹介してくれませんか?」という言葉には躊躇しました。
どんなに実力があっても、フケが肩に大量に落ちている方を他の人に紹介するのはためらわれるものです。
ポートフォリオはなるべく多く
フリーランスの営業ツールがポートフォリオです。イラスト、3Dモデル、ムービー、Webサイトなど何でも構いません。フリーランスは自分が手掛けたものを実績として提示してクライアントから仕事を確保します。そのツールとなるのがポートフォリオです。
発注する側としてはフリーランスの実力を見極めるために、なるべく多くのポートフォリオがあったほうがありがたいです。
例えばフロントエンジニアに仕事を依頼するときに、数十行のソースコードだけをプリントアウトして持ってこられても正直こまります。実際に動いているWebサイトを提示してもらえるほうが遥かにありがたいのです。
守秘義務を守らない
フリーランスが仕事を得るときに必須ともいえるポートフォリオなのですが、守秘義務を守っていることが前提です。過去に受けた仕事を営業の実績として、他のクライアントに見せてもいいか必ず確認をとりましょう。
以前にたくさんポートフォリオを用意して、打ち合わせに来られた映像デザイナーの方がおられました。
すごく充実したポートフォリオですが、これは許可は取られてます?
いやー、すみません。取ってないんですよ。ここだけの話ってことでお願いします。
・・・この方に依頼すると、ウチの仕事も他で営業するときに見せるんだろうな。これは依頼はできないな。
ということになりますので、必ずクライアントさんから許可を得たものだけを見せるようにしましょう。
メールのシグネチャに何も記載しない
メールのシグネチャには連絡先を記載しておきましょう。
以上になります。よろしくお願いいたします。
権田原土下座衛門
以上になります。よろしくお願いいたします。
権田原土下座衛門
Tel 090 1234 5678
gondawara@docomoausoftbank.jp
ttps://gondawara_dogezaemon.com
一目瞭然ですね。メールのシグネチャに連絡先が書いてあるだけで、仕事を依頼するときに連絡しやすくなります。
チャットワークやLINE、Facebookのメッセンジャーなど、新しいコミュニケーションツールでやり取りすることも多くなってきましたが、メールは今でも最も多く利用する連絡手段です。
クライアントさんの目が触れるところには、連絡先を必ず記載するようにしておきましょう。ちょっとした気遣いで、クライアントさんから連絡がくる可能性が増えるのです。
できない仕事は受けないようにしよう
自分ができる仕事を受託しましょう。何でもできる人はこの世の中に存在しません。仕事を受ける以上は、自分ができることと出来ないことを、はっきりとクライアントさんに伝えましょう。
一度仕事を断るともう仕事が来ないのではないか!?、と心配になることはあると思います。でも、無理して仕事を受けて「やっぱり出来ませんでした」となると、そのクライアントから二度と仕事が来ることはありません。
少し自分の実力が足りない、もしくは、自分の守備範囲から外れるけど(金銭的な事情などで)仕事を受けたいこともあると思います。
そういうときは、自分の懸念点を率直にクライアントさんに伝えるようにしましょう。理解のあるクライアントさんであれば、一緒に打開策を検討してくれることもあります。
これは実際にあったケースですが、3Dの仕事をベテランのフリーランスさんに依頼したことがありました。ただ、そのプロジェクトはいつもと違う3Dツールを使用予定でした。対応策として、プロジェクトの開始の一週間だけ社内に常駐してツールを覚えていただきました。相談することで、クライアント側が対応できることもあるのです。
まとめ ー 発注側からみたフリーランスへのお願い
最近はフリーランスという生き方が流行っているのか、それともフリーランスという働き方が認知されたのか、以前よりフリーランスの方が増えたような気がします。そして今後は、フリーランスはもっと増えるともいわれています。
私自身もフリーランスに憧れることがあります。だからこそ、一緒に心地よく仕事ができることを願っています。
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