上司はなぜ無能なのか。ピーターの法則をゲーム会社に当てはめて考えてみた

ゲーム会社

ピーターの法則と呼ばれるちょっと変わった法則があります。組織における上司はなぜ無能なのかを論理的に説明した法則で、考え方としておもしろいなーと思いつつ、現実ではそうではないことも多いという、ちょっと変わった法則です。

 

今回はそのピーターの法則について、私が勤務しているゲーム会社に当てはめて考えてみます。

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ピーターの法則とは何か?

いつものようにWikipedia先生に聞いてみます。

  1. 能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平(ひら)構成員は、無能な中間管理職になる。
  2. 時が経つにつれて、人間はみな出世していく。無能な平構成員は、そのまま平構成員の地位に落ち着く。また、有能な平構成員は無能な中間管理職の地位に落ち着く。その結果、各階層は、無能な人間で埋め尽くされる。
  3. その組織の仕事は、まだ出世の余地のある人間によって遂行される。

有能な平社員が無能な中間管理職になる、という発想がおもしろいですね。有能な人間は常に有能、という考え方ではないところにおもしろ味を感じます。 

 

ピーターの法則が当てはまるのは、出世したことによって下位の仕事のスキルが使えないケースですね。

 

ゲーム会社に当てはめて考えてみる

ピーターの法則をゲーム会社に当てはめて考えてみます。なぜゲーム会社に当てはめて考えるのかというと、私自身がゲーム会社以外の組織をあまり経験していないからです(^^;

  1. デザイナー
  2. ディレクター
  3. プロデューサー

ゲーム会社のデザイン系の職種をピックアップしてみました。デザイナーがいわゆる平社員で、下に行くにつれて偉くなっていきます。ちなみにゲーム会社でも会社によっては普通の会社のように、係長や課長という職位があるところもあります。ただ今回は説明のためにそれらは考えないことにします。

 

さて、デザイナーが出世してディレクターになったとします。この出生したデザイナーはデザイナーとして優秀だったとしても、ディレクターとして優秀かどうかは分かりません。

デザイナーの仕事

ゲーム内で表示されるグラフィックの製作

ディレクターの仕事

開発スタッフの管理および制作進行

ちょっと大雑把ですが、それぞれの仕事内容が上記のものだったとします。この場合、デザイナーとして作る絵が素晴らしいものだったとしても、開発スタッフを統括できるかどうかは未知数です。

 

スキル的に全く異なるもので、優秀なデザイナーが無能なディレクターになってしまう可能性があります。そうしてデザイナーからみれば無能な上司であるディレクターが出来上がってしまいます。

 

仮にデザイナーとしてもディレクターとしても優秀だったとして、その人がまた出世してプロデューサーになったとします。

プロデューサーの仕事

「ヒト・モノ・カネ」の管理

渉外能力

プロデューサーはまたディレクターとは異なるスキルが求められます。会社によってはプロデューサー=部長職であるところもありますね。

 

そしてディレクターとして優秀だった人が、プロデューサーとして優秀かどうかは分からないのです。

 

こうして優秀だった人が出世してしまったがために、違うスキルを求められ無能になってしまいます。そしてそこで出生が止まることから、各階層は無能な人で埋め尽くされます。これがピーターの法則の考え方ですね。

 

ピーターの法則を避けるためにはどうすれば良いのか?

ピーターの法則を避ける方法はいくつかあります。

一つはその階層において優秀な社員を出世させないことです。出世させないなんてひどい、と思われるかもしれませんが、ゲーム会社では、

 

ディレクターにはなりたくない。ずっと現場で絵を描いていたい

 

 

というスタッフが一定数います。彼らは出世させずに給料をアップして、その階層に止めればよいのです。

 

もう一つは逆に上の階層に似合ったスキルを持つスタッフを昇進させることです。デザイナーとしてはいまいちでも、コミュニケーションや管理能力に優れ、ディレクター向きの人物もいます。

 

ディレクターやプロデューサーが絵を描くことはありません(デザイナー出身のディレクターが、ラフを描いて自分の意図を伝えることはありますが)。ディレクターやプロデューサーにはその職位にあった人物を配置するようにすれば良いのです。

 

まとめ ー 組織における人の配置について考えさせられる法則

ピーターの法則は考え方としては非常におもしろいと思います。

 

デザイナーとして優秀

ディレクターに出世

ディレクターとしては無能

そこで出世が止まり、無能なディレクターが誕生

各階層は無能な人材で埋め尽くされる

 

まとめるとこういう構造になるのですが、現実はそういう訳でもないですね。デザイナーとしてもディレクターとしてもプロデューサーとしても優秀、というようなスーパーマンのような人材も少なからずいますし、逆にディレクターとしてのみ優秀で自分でそのことを知っていてその位置に留まっている人もいます。

 

まあ、組織における人の配置について考えさせられる法則であることは間違いないですね。それに話としても非常におもしろい法則の一つだと思いますが、いかがでしょうか。

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