- 「テストで○点とったら○を買ってあげる」というご褒美で勉強させる
- テレビやゲームの時間を減らせば学力は上がる
- 読書をすると学力があがる
- 勉強しなさい、という言葉は効果がある
- 親の年収は子どもの学力に関係する
- 少人数学級は学力向上に効果がある
いくつか子どもの教育に関する疑問を上げてみました。どれもよく取り上げられる例だと思います。これらに自信を持って回答できる、と断言できる方は、もうこの先の文章を読む必要はありません。
少しでも疑問に思ったり、分からないと感じた方は読み進めていただければ幸いです。
教育経済学者が科学的根拠に基づいて執筆した書籍
「学力」の経済学は教育経済学者の中室牧子氏が、様々な実験結果や検証結果などのエビデンスを基に、教育方法の効果についてまとめた書籍です。
子どもがいる親なら誰でも、
- ご褒美で釣って子どもを勉強させても良いのかどうか
について悩むと思います。
私も子どもが居ることもあり、この問題についてはずっと悩んでいました。でも、この本を読んでようやく悩みが解決しました。
結論を書いてしまうと、子どもをご褒美で釣って勉強させてもかまいません。
ただし、正しいやり方を理解する必要があります。
たとえば結果と行動のどちらに対して褒美をあげれば良いのか、という問題があります。
- 次のテストで○○点を取ったら小遣いをあげる
- 本を2時間読んだら小遣いをあげる
これについても本書ではエビデンスに基いて回答が示されています。あまり本の内容を書いてしまうと、差し障りがあると思いますので、こちらでは記載しません。
ただ、上記の二択のうち、どちらかはまったく効果がないことを書き添えておきます。
重要なのはエビデンス。科学的根拠に基いて判断しよう
まずはエビデンスという言葉についての解説です。
一般には、医学および保健医療の分野では、ある治療法がある病気・怪我・症状に対して、効果があることを示す証拠や検証結果・臨床結果を指す(出典 Wikipedia)
Wikipedia先生にはいつもお世話になっております。
エビデンスとは実験や検証などによって得られた科学的根拠、といっていいでしょう。
「学力」の経済学には冒頭におもしろい文章が書かれてあります。
「教育」は一億総評論家
日本では義務教育制度があります。それに加えて高校進学率が97%以上あることを考えると、ほとんどの人が12年以上教育を経験しているといっていいでしょう。
誰もが12年以上も教育を経験している、ということは、誰もがそれについて語れるということでもあります。その教育方法が正しいのかどうか、エビデンスなしに自分の経験から話すことができるのです。
これはある意味、非常に危険な問題を孕んでいます。
「自分の子ども全員を東大に入れた」というような教育を題材にした本がたまにベストセラーになったりします。でも、その家庭で効果があった勉強法が、自分の子どもにも通用するとは限らないのです。
まとめ ー エビデンスのある教育を実践しよう
この本には因果関係と相関関係や双曲割引、ランダム化比較試験なども記載されています。パッと見だと難しい本のようですが、そんなことはありません。ランダム化比較試験もドラえもんの登場人物を例にして解説してあります。
専門的な内容を分かりやすく解説しているところに、著者の実力の高さを感じます。
そして何よりもこの本はエビデンスに基いて執筆されています。個人的な意見でも、経験からの話でもありません。教育に関する様々な疑問について、科学的根拠に基づいて判断しているのです。
私は正直なところ教育経済学という学問の分野があることを知りませんでした。でも、これからは、この学問に基づいたエビデンスのある教育を子どもに受けさせたいと考えています。
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