ゲーム開発の闇、とまでいうと言い過ぎかもしれません。
今回はゲームをクリアしたあとに表示される、スタッフロールに関する話です。
コンシューマーゲームであれば、ゲームをクリアしたときにスタッフロールが流れます。会社によってはエンドロールやエンドクレジットとも呼ばれますが、ここではスタッフロールで統一します。
スタッフロールは和製英語らしいのですが、まあ、それを知っていて使うのはいいよね、ということで。
- パブリッシャー メーカーのスタッフは掲載される
- 直請けディベロッパーは(基本は)掲載される
- 孫請けのディベロッパーのスタッフはケースバイケース
- ひ孫請けや海外発注の場合は・・・
- いくつかの事例を挙げて紹介
- まとめ ー ゲームはスタッフロールに載らない人で成り立っている
パブリッシャー メーカーのスタッフは掲載される
ゲームの発行元であるゲームメーカーのスタッフは全員掲載されます。当然と言えば当然ですね。社員はもちろん契約社員や派遣社員やアルバイトでも掲載されるでしょう。
メーカーの中に開発スタッフを抱えているかどうかは、メーカーによって異なりますので、どれくらいの人数が掲載されるのかは様々です。
プロジェクトによっては社内に開発スタッフをほとんど置かず、プロデューサーが一人で、後は全て全員ディベロッパーという開発状況もあったりします。まあ、それは別の話になるのでここでは割愛します。
スタッフロールに関して、ここには何の問題もないといっていいでしょう。
直請けディベロッパーは(基本は)掲載される
ゲームメーカーから直請けでゲーム開発をしているディベロッパー(開発会社)のスタッフも基本は掲載されます。ゲームメーカーと直接やりとりしているディベロッパーは、メーカーと太いパイプを持っていることが多く、ここにも闇はありません。
「基本は」と記載したのは、ディベロッパーも会社なので、正社員以外にも派遣社員や業務委託で働いている人も居るからです。ディベロッパーと直接的な雇用関係がある場合は掲載されることがほとんどですが、アルバイトや業務委託の場合は掲載されないこともあります。
孫請けのディベロッパーのスタッフはケースバイケース
ここから話が少しややこしくなってきます。直請けディベロッパーがさらに第三者に開発を委託しているケースです。いわゆる孫請けディベロッパーさんのスタッフですね。
この場合は三つのケースに分かれます。
- 孫請けディベロッパーの名前で掲載
- 直請けディベロッパーの名前で掲載
- 掲載されない
開発に参加している以上、孫請けでも会社名と開発スタッフの名前が載るケースが本来であれば正しい形だと思います。でも、そうはならないケースもあります。
孫請けの会社の正社員であるにもかかわらず、なぜかスタッフロールには直請けディベロッパーの会社名で掲載されることがあります。もしくは掲載さえされないケースですね。
これはメーカー内で孫請けにまで仕事が渡っていることを、役員などのおエライさんに知られたくないケースが考えられます。もしくは直請けディベロッパーがさらに外部(孫請けディベロッパー)に仕事を出すことを話していないケースですね。
御社ってどこか外に仕事を出されたりします?
いや、ウチは全て社内開発です!。外部には出してないですねー。
といいつつ、しれっと孫請けに仕事を委託していたりすると、当然のことながらスタッフロールには名前は載らないことになります。
ひ孫請けや海外発注の場合は・・・
これはもう載らない、と考えていいでしょう。
ゲームのスタッフロールに海外の開発会社が載っているじゃないか、と思われるかもしれませんが、これはメーカーか直請けのディベロッパーがメーカーの許可を取って委託しているケースです。
孫請けが海外に仕事を出しているケースでは、メーカーがそのことを把握していることはまずありません。もちろんその海外の開発会社が載ることもないといっていいでしょう。
微妙なのはひ孫請けの会社が、孫請けの会社に出向で作業しているケースです。この場合は、孫請けの会社の名前で掲載されることがあります。直請けと孫請けの会社の関係や契約に左右されますが。
いくつかの事例を挙げて紹介
分かりやすいようにいくつか事例を挙げて解説してみます。私が経験した事例をベースに解説していますので、必ずしもこの通りにならない場合があることを、ご理解いただければと思います。
直請けディベロッパーの中でフリーランスの人が働いている場合
直請けディベロッパーの会社名で掲載されます。フリーランスの人は屋号を持っている人も多いと思いますが、この屋号が掲載されることはまずありません。
孫請けディベロッパーが直請けディベロッパーに出向している場合
直請けディベロッパーがメーカーに了承を得ている場合は、孫請けの会社名と担当者が掲載されます。この場合の了承というのは、契約も含めての話です。
開発業務を受託するときは、業務委託契約を締結します。そのときに第三者に委託しても良いかどうかの条項があります。この条項が第三者への委託可になっていて、メーカーに第三者に委託していることをきちんと話している場合に掲載されるのです。
まとめ ー ゲームはスタッフロールに載らない人で成り立っている
昨今のコンシューマーゲームは開発規模が膨大になってきています。メーカー内で100人超、ディベロッパーも含めたのべ人数で数えると4桁に行くのでは、という大型ゲームもあります。
開発費が150億円以上かかっているゲームなどは、どれくらいの人数が開発に関わっているのか想像もできません。おそらくゲームのプロデューサーも把握できていないでしょう。
ゲームはスタッフロールに載らない人で成り立っている、とまでいうと言い過ぎかもしれませんが、スタッフロールに載らない人も多数いるのは事実です。
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