まず驚かされるのが著者が紹介するビル・ゲイツのエピソードです。
OSの開発には莫大な費用がかかります。その開発を継続するかどうかを3分で決断したそうです。
シカゴとカイロという2つのプロジェクト
Windowsに詳しい人はご存知だと思いますが、Windows95の開発コードネームはシカゴ(Chicago)です。そしてマイクロソフトの内部では、同時期にシカゴだけではなく、カイロ(Cairo)というOSの開発も進められていました。
シカゴとカイロ、どちらかがWindows95として世に送り出されます。
開発が大詰めになったとき、最終決定のためのプレゼンが開かれます。
プレゼンの結果・・・ビル・ゲイツはシカゴを次期OSとしてリリースすることに決定しました。その決定にかかった時間は3分だそうです。
シカゴを選ぶということは、カイロというプロジェクトを中止することを意味します。カイロは4年間に渡って開発され、プロジェクトに参加していた人数は400人だったそうです。
金額にすればいくらになるのでしょうね。もちろん予断はある程度持っていたのかもしれませんが、それだけの決断を3分でしてしまうビル・ゲイツに凄みを感じます。
一週間かけて決めても3分で決定しても、最終的にどちらかのプロジェクトを中止すること考えれば、決断は速いほうがいいのかもしれません。それでも普通の人間は数億(下手すれば数十億)かかるプロジェクトを簡単に中止にはできないでしょう。
ラストスパートが諸悪の根源
著者が紹介するスピードアップのための仕事術はいくつかあります。詳細は本書を読んでいただくとして、一番実感できたのは、仕事に早く取り掛かる、という点ですね。
なにを当たり前のことを言っているんだ、と言われそうですが、実際はなかなかこれができていないと思います。少なくとも私は実行できていません(爆)
たとえば月曜日の朝に、新しい仕事を上司から指示されたとします。提出日は来週の月曜日で、作業にはざっと見積もって2日間くらいかかりそうです。
さて、いつからその仕事に取り掛かりますか。
私の場合は今までケースで考えると、水曜日くらいから、になりそうです。水曜日と木曜日をその作業に当て、金曜日をバッファとして置いておく、くらいのスケジュールを立てます。
そして実際には他の業務に忙殺されて、木曜日くらいから取り掛かって、金曜日の定時頃にギリギリにアップというのがオチでした。
これが間違いだと著者は指摘しています。締め切り間近にならないと取り掛かれない、というラストスパート思考こそが諸悪の根源だそうです。
確かにそうなんですよね。
社会人はいつも何かしらの仕事を抱えています。何もタスクを抱えていないという状態がまずありません。新しい仕事があったとしても、それにすぐに取り掛かることがむずかしく、つい後ろに回しがちになります。
そうではなくて、今の仕事をストップしてまず新しい仕事に取り掛かる。そうすることで新しい仕事のスケジュール感や作業ボリュームなどが正確に把握できる。
締め切り間近にならないと取り掛かれない、というラストスパートから脱却することが一番必要なのかもしれません。
他にも様々な時間術
著者は他にも様々な時間術を紹介しています。界王拳や仕事の切り分け方、1年続く仕事の場合はどうするかなど、内容は盛りだくさんです。
もちろん全てを紹介することはできないのですが、ラストスパート思考を止めてすぐに仕事に取り掛かるというのは、明日からすぐに実践しようと思います。
下記はゲーテの名言です。この言葉も本の冒頭で紹介されています。
「知ることだけでは十分ではない、それを使わないといけない」
「やる気だけでは十分ではない、実行しないといけない」
よし、早速明日から・・・あ、よく考えたら明日は会社が休みだったので、明後日からにしますw
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