学生のポートフォリオを見た、ゲーム業界の人の意見を職種別にまとめてみた

ゲーム会社への就職

先日、あるゲーム業界の交流会に参加しました。学生も参加OKの交流会だったので、何名かの学生が、自分のポートフォリオを持ってきていました。就職のために自分の作品を業界の人に見せて回っていたのです。

 

まずはその勇気に拍手を贈りたいと思います。自分の作品を他の人に見てもらうのは、すごく勇気がいることです。

 

就職を希望する業界の交流会に参加し、かつ、自分の作品を見せて意見を聞く、という行動力が素晴らしいですね。私が学生の頃には、そんなことは思いもよりませんでした。

 

彼は自分のポートフォリオを、交流会に参加していた人に片っ端から見せていました。

 

 

ゲーム業界を志望している学生です。ポートフォリオ持ってきたので、就職のアドバイスをいただけませんか?

 

 

 

交流会には様々な職種の人が参加していました。デザイナーだけではなくプランナーやプログラマー、ディレクターも参加していました。

 

交流会

私自身がデザイナーなので、ブログではデザイナーという視点で記事を書いているのですすが、今回は他の職種からみた意見をご紹介します。

 

「デッサンはないの?」 デザイナーの意見

他の職種の意見、といいつつ、最初にデザイナーの意見を紹介します(^^;

 

デザイナーなら誰もがいうであろう意見が「デッサンを見たい」になります。ポートフォリオは私も拝見したのですが、デッサンはありませんでした。

 

ポートフォリオにデッサンは必須です。これがWebデザイナーや紙のデザイナーであれば、デッサンは必要ありません。でもゲーム業界では必要なのです。ゲーム業界のデザイナーは、デザイナー=絵が描ける人、であり、ポートフォリオにはデッサンが必須なのです。

 

  • デッサンが苦手だ
  • 絵は描けない

それでもゲーム業界のデザイナーになりたい、という方は、画力があまり求められない職種を選ぶと良いでしょう。

 

  • UI(ユーザーインターフェース)デザイナー
  • モーションデザイナー
  • エフェクトデザイナー

上記の職種は他のデザイン系の職種に比べると、画力が求められることはありません。まあ、それでもある程度は描けたほうが良いのはよいのですが。

 

「ゲーム画面に登場するものがみたい」 プランナーの意見

今回の意見でおもしろいなーと思ったのが、プランナーの意見でした。

 

 

デッサンとかは別になくても良いのでは?それよりもゲームの画面に登場するものが見たい

 

 

 

私自身はデザイナーなので、デッサンは必要だろう、とどうしても考えてしまうのですが、そのプランナーの方は「デッサンは必要ない」と断言していました。もっともそう言ったあとに「俺はデッサンとか見ても分からないので」と笑っておられましたが。

 

ゲーム会社の採用では、デザイナーはデザイナーが、プランナーはプランナーを、というように、同じ職種の人が判断するのが一般的です。でも、小さいゲーム開発会社では、違う職種の人が判断することもあるかもしれません。

 

どの職種の人が判断するのかはもちろん分からないのですが、デザイナー以外の人が判断する可能性があることを考えれば、デッサンが必須、とばかりも言ってられないなー、と感じました。

 

 

自分の描きたいものを描いているよね?そうではなくて、見る人のことを考えて描かないと

 

 

学生へのポートフォリオのアドバイスに、私は上記のような意見を言ったことはありませんでした。それだけに横で聞いていてすごく新鮮でした。

 

ほとんどの学生は、自分が描きたいものを描いてきます。すごく極端な例を挙げると、ケモノの耳がある女性キャラのイラストばかりの人も居ました。趣味は人それぞれなので、そのイラストを描くことには何の問題もありません。でも、就職を目指すポートフォリオに、それだけを描くのはまずいですよね。

 

ゲームの中で表示されるもので、デザイナーが手がけるものは山のようにあります。いや、ほとんどがデザイナーが作成するといっていいでしょう。

 

キャラクターでもモンスターでも、背景でも、パラメータでも、モード選択画面でも、アイコンでも何でも良いので、実際のゲームをプレイしてみて登場するものを描く、ポートフォリオに入れる、というのは、とても良い意見だと感じました。

 

 

「動画はないの?」 プログラマーの意見

交流会で学生さんはiPadに作品を入れて、画像データとして表示していました。

 

今どきの学生さんっぽいなー、と思いつつ見ていたのですが、あるプログラマーさんが、こんな意見を言っていました。

 

 

動画はないの?

 

 

この意見も聞いたときにハッとしました。せっかくiPadで作品を見せるのであれば、動画を用意するのも一つの方法です。

 

以前は2D系のデザイナーは動画とは無縁でしたが、今はLive2DやSpineのようなイラストを動かすソフトも存在します。

 

3Dやエフェクト系の人は、逆に動画は必須といってもいいくらいです。作成するのは大変ですが、必ず用意したほうが良いと思います。

 

「何のデザイナーを目指しているの?」 ディレクターの意見

デザイナーの職種はさらに細かく別れます。

  • モデラー
  • リガー
  • モーションデザイナー
  • エフェクトデザイナー
  • UIデザイナー
  • イラストレーター

思いつくままに挙げてみましたが、実際にはさらに細かく別れていたりします。モデラーでも、背景とキャラクターに分かれていたり、イラスト系でもコンセプトアーティストだったり、キャラ専門だったりする人もいます。

 

ライティングを専門にするライティングアーティストや、技術的な面のみを研究&アドバイスするテクニカルデザイナーという職種もあったりします。

 

逆に小さい会社だと何でもやらないといけないことが多く、職種も明確には別れていません。

 

交流会での学生さんは、何のデザイナーを目指しているの?、という質問に即答できませんでした。ゲーム業界に入りたいなと思って、と答えていましたが、具体的な職種を考えたことがないようでした。

 

自分がゲーム業界に入って何をやりたいのかを明確に考えた方が良いでしょう。学生の間にできることは限られています。自分が目指す職種を決めて、それに集中してスキルを磨くと良いと思います。

 

まとめ ー 見る人のことを考えて描く

ゲーム会社で採用担当者をしていたこともあり、今まで何百ものポートフォリオを見ましたし、何十人もの人の採用面接を担当しました。

 

このブログにもデザイナーとして採用に関する意見を書いてきましたが、他の職種の方の意見を聞くことはあまりなかったので、非常に新鮮でした。

 

特に印象的だったのが、プランナーの意見です。もちろんプランナーの意見というよりは、その人自身の考え方なのかもしれませんが。

 

  • ゲームの中に登場するものを描く
  • 自分の描きたいものを描くのではなく、見る人のことを考えて描く

 

その方の意見を要約するとこんな感じでしょうか。

 

ゲーム業界を目指すデザイナーの参考になれば嬉しく思います。

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