横綱・大関が優勝できなくても何の不思議もない。観たいのは力士の真剣勝負

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令和元年の大相撲五月場所は、西前頭八枚目の朝乃山が平幕優勝を遂げました。朝乃山関は25歳の新鋭であり、三役経験のない力士の優勝は58年ぶりだそうです。

 

五月場所はトランプ大統領が大相撲を観戦し、優勝した朝乃山にアメリカ合衆国大統領杯を手渡したことでも話題になっています。

 

好角家の私もインターネットTVで、毎日大相撲を観ていました。その中でも朝乃山関の活躍は白眉といって良いでしょう。

 

朝乃山関は、白鳳や貴景勝の休場もあり、寂しくなりかけた場所を大いに盛り上げてくれた立役者です。朝乃山関の今後に期待しています。まずは三役、そして大関、さらにはその上へとステップアップしてくれると嬉しいのですが(^_^)

 

朝乃山 優勝

(出展 AbemaTV

そんな五月場所の余韻に浸りながら、相撲関連のニュースをチェックしていると、気になる記事がありました。

 

なぜ横綱・大関は優勝できなくなったのか

まずは記事を紹介します。近いうちに消えそうな気もしますが。

 

 

記事を簡単に要約します。

  • 注射がなくなり、ガチンコになった
  • 注射がないため、秩序が乱れている
  • 力士の大型化もあり、休場する力士が続出する

注射とは「人情相撲」や「星のやり取り」であり、ガチンコは「真剣勝負」のことです。

 

要は、真剣勝負をすると力士の休場が相次ぎ、秩序が乱れる、と書いているのです。

 

・・・何を言っているのだろう、この人?

 

真剣勝負は大いに歓迎すべきことであって、何の問題もないでしょう。

 

記事を書いた方は何が言いたいのでしょうか。注射(八百長)を復活させろと言いたいのでしょうか。

 

データのとり方がおかしい

記事では7勝7敗の力士と、8勝6敗の力士の勝敗についても述べています。データを基に、7勝7敗の力士の8勝6敗の力士に対する勝率は80%近かったので、何らかの人為的な力が働いている、と記載しています。

 

これは明らかにデータのとり方がおかしいですね。

 

7勝7敗同士の対戦ではなく、なぜ、7勝7敗と8勝6敗の力士の対戦なのでしょう。相撲好きな人なら、勝ち越しが重要なことは誰でも知っています。千秋楽にすでに勝ち越している力士と、勝ち越しがかかっている力士では、気合の入り方が違うのは当たり前です。

 

注射というよりは人情相撲というべきでしょう。いや、人情相撲とも違うな。

気合の入り方、相撲をとっている力士の真剣度の度合いが違うというべきでしょうか。

 

考え方を変えれば、千秋楽に勝ち越しがかかっている力士と勝ち越しが決まっている力士が対戦することがおかしいのです。

 

千秋楽は14日目の取り組みが終わってから決めれば良い

今場所の千秋楽の取り組みの発表は、14日目の取り組みの後に決められました。朝乃山関の躍進もあり、優勝が千秋楽までもつれ込むようなら、横綱と平幕の一線が千秋楽の最後の一番になった可能性もありました。14.日目に優勝が決まったので、実際には実現することはありませんでしたが。

 

実は私は毎場所これをすれば良いと思っています。千秋楽の取り組みをすべて、14日目の取り組みのあとに決めるのです。

 

千秋楽は必ず相星決戦を前提に取り組みを組むのです。そうすれば、勝ち越しが決まった力士と勝ち越しがかかっている力士の対戦はなくなるでしょう。人情相撲や無気力相撲と揶揄されることもなくなります。

 

小兵力士も活躍している

記事では、真剣勝負が増えると、力士の休場が相次ぎ、巨漢同士が争うサバイバルになる、と結んでいます。

 

力士の体重が増え続けているのは事実ですが、小兵力士も活躍しています。今場所だと新入幕の炎鵬が話題になりました。勝ち越しこそなりませんでしたが、その相撲は大いに土俵をわかせてくれました。

 

大相撲は身体が大きい力士が必ず勝つという訳ではありません。大相撲の最重量力士は292kgを記録した大露羅ですが、最高位は幕下で、関取になることなく引退しました。

 

相撲を観ていれば小兵力士は何をしてくるか分からないため、巨漢力士が一気に押し出す相撲というのは意外に多くなかったりします。

 

真剣勝負で勝てないのなら引退すれば良い

真剣勝負だと横綱や大関といった上位陣が勝てず、休場することで平幕優勝が続くのであれば、それはそれで良いことだと思います。勝てないのであれば引退するしかないでしょう。それが勝負の世界というものではないでしょうか。

 

過去の1年間を振り返ると、初優勝の力士が並んでいます。

  • 2018年7月 御嶽海
  • 2018年9月 白鵬
  • 2018年11月 貴景勝
  • 2019年1月 玉鷲
  • 2019年3月 白鵬
  • 2019年5月 朝乃山

赤字は初優勝です。白鵬以外の横綱、大関は優勝できていません。

 

これはこれで良いのではないでしょうか。玉鷲関は34歳ですが、それ以外の優勝力士は20代です。今後の活躍が大いに期待できます。

 

横綱大関の優勝が少ないのは寂しくはありますが、真剣勝負での結果のほうが、観ていて楽しいのは間違いありません。

 

まとめ ー 観たいのは力士の真剣勝負

観たいのは力士同士の真剣勝負であり、上位陣が必ず優勝するような予定調和的な土俵ではありません。

 

真剣勝負だと横綱や大関といった上位陣が勝てず、休場することで平幕優勝が続くのであれば、それはそれで良いことだと思います。勝てないのであれば引退するしかないでしょう。それが勝負の世界というものではないでしょうか。

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