今のソーシャルゲームに必須といってもいいのが、キャラクターや武器が手に入るガチャです。ガチャに数万円、数十万円をつぎ込んだとニュースがときどき話題になったりします。
ユーザーがお金が払って回しているガチャですが、このガチャに登場するキャラクター1体のお値段はいくらなのでしょうか。
今回はゲームメーカーが3Dキャラクターを制作したときに、どれくらいお金がかかっているのかを計算してみます。
3Dキャラクターの作成手順
(出展 白猫プロジェクト)
キャラクターはパズドラやモンストのようなイラストタイプではなく、白猫プロジェクトのような3Dキャラクターとします。3頭身くらいで、ポリゴン数は2,500から3,500くらいと仮定します。
まずは3Dキャラクターの制作手順です。
- デザイン案の作成
- ラフ
- 三面図
- モデリング
- テクスチャ
- セットアップ
- モーション
キャラクターによっては差分があったりしますが、今回は考慮に入れないものとします。モーションも普通は数十種類作成するのですが、今回はガチャで引いたときのワンアクション(ひとつのモーション)だけで計算してみます。
(※注 今回の計算は私が過去の開発経験を元に計算したもので、白猫プロジェクトのキャラクターとは無関係です)
デザイン案の作成、ラフ、三面図
3Dキャラクターといっても、いきなりモデリングを始めるわけではありません。最初は2Dの作業から始まります。
デザイン案の作成
キャラクターのデザインを考えます。
- 性別
- 年齢
- 容姿
- 服装
- アイテム
などなど・・・ゲームの種類によっては武器を設定する場合もあるでしょう。この作業は主にプランナーさんが行います。作業日数は2日くらいでしょうか。
資料はテキストベースで説明があって、ネットから拾ってきた画像をペタペタと貼っていることが大半です。社内資料ということもあり、著作権などはあまり気にしないので、他社さんのキャラクターの一部を切り取ってドーンと貼ってあったりしますw
作業日数 2日
ラフイラストの作成
(出典 CG WORLD)
プランナーさんが考えたキャラ案を基に、デザイナーがラフイラストを作成します。プロジェクトによっては外部の有名イラストレーターさんに依頼することもあります。その場合は、デザイン案を作成せず、キャラクターの要点だけを伝えて、おまかせで作成してもらったりすることもあります。
作業日数 2日
三面図の作成
(出典 ゼノブレイド2)
ラフイラストが固まったら次に三面図を作成します。プロジェクトによってはラフイラストから三面図を作成せずに、いきなりモデリングを始める場合もあります。
作業日数 3日
モデリング、テクスチャ、セットアップ
三面図が完成したらモデリングに入ります。ここからが3DCGデザイナーの仕事ですね。ちなみに私は無駄に年をくっていることもあって、何でもやるデザイナーですが、メインは3DCGデザイナーです。
モデリング
(出典 CG WORLD)
キャラクターをひたすらゴリゴリと形作っていきます。個人的にはこのモデリング作業が一番楽しい^^
作業日数はキャラクターのデザインによって大きく変わるのですが、だいたい3日から5日くらいでしょうか。
作業日数 4日
テクスチャの作成
モデルに貼るテクスチャを作成します。テクスチャを描いているのは楽しいのですが、UVが合わないとイライラします。最近の3DソフトはUV機能や3Dペイントが充実しているので、そうでもないのですが。
作業日数 4日
セットアップとモーション
3Dキャラクターを動かすためには、人間の骨格にあたるボーンを作成して、それを3Dモデルに関連付ける必要があります。それがセットアップです。
基本的にモデルが異なってもボーンの構造は同じにしておくことがほとんどです。よっぽど体格が異なる場合は、違うボーン構造を持ったりしますが。
セットアップ
(出典 AREA JAPAN)
ボーンの設定とリグの作成を計算に入れると、かなり日数がかかってしまうので、今回は既存のものがあると仮定して、それを流用するものとします。
流用するといってもボーンがモデルにどれだけ影響するかというウエイト設定という作業があるので、それで2-3日はかかってしまいます。
作業日数 3日
モーション
モーションの作成はワンアクションくらいなら、作業が速いひとだと半日くらいで作ってしまいます。今回は1日としましょうか。
作業日数 1日
まとめ ー ガチャに登場するキャラクター1体のお値段は?
ゲームメーカーが開発会社に支払う人月単価は70万から100万くらいでしょうか。ここでは80万と仮定します。
3Dキャラクターの製作にかかった日数は、
- デザイン案の作成 2日
- ラフイラスト作成 2日
- 三面図作成 3日
- モデリング 4日
- テクスチャ 4日
- セットアップ 3日
- モーション 1日
合計すると19日ですね。
一ヶ月の営業日が20日間で、これに対して人月単価が80万円なので、1日分として換算すると4万円です。
4万円 x 19日間 = 76万円
というわけで、ガチャに出てくるキャラクター一体の製作費用は76万円になりました。数百円のガチャで手に入れられるキャラクターの製作は70万円以上かかっているのです。
これだけお金がかかっているということがわかれば、ガチャを引く皆さんも心置きなく課金できますよね・・よね!?
ならないかな(^^;
※今回の計算は一般的なものになります。デザインの複雑さや制作フローによって作業日数は前後します。コンシューマーゲームに登場するキャラクターだと、ハイポリモデルを作成してノーマルマップにベイクする作業(キャラクターの複雑さを特殊な技法で表現する作業)もあったりして、もっと製作日数は増えます。
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