あるゲームで侘び石が大量に配布されたようです。
それに対してあるユーザーが、
侘び石を大量に配るのではなく、そのお金をゲーム内容の向上や不具合の防止に当ててほしい
と意見されていました。
いいユーザーだなあ(´:ω:`)ブワッ
と思うと同時に、残念ながらソーシャルゲームの利益の仕組みは違うんだよなあ、と考えたりもしていました。
今回はソーシャルゲームで侘び石や課金アイテムを配る理由について解説します。
侘び石の解説と配る理由
侘び石という言葉はパズドラから生まれた
まずは侘び石の解説です。
ソーシャルゲームなどで不具合があったときに、ユーザーにお詫びとして配られる課金アイテムのこと。
引用形式にしましたが、私自身が今書いた言葉です。
「詫び石」の「詫び」は「お詫び」という言葉からで、「石」はパズドラの課金アイテムである「魔法石」から名付けられました。
侘び石を配る理由
不具合が発生した際にお詫びとして配布します。
はい、すごく真っ当な理由ですね。
少し意地の悪い書き方をすると、不具合で嫌気が差したユーザーをゲームから離脱させないためにお詫びとして配布する、という感じでしょうか。
どちらにせよ、お詫びという意味であり、ここには特に不自然も問題もありません。
もう一つの理由。なぜ課金アイテムを配るのか
課金アイテムはさらなる課金のために配る
侘び石も含めて、そもそもなぜ課金アイテムを無料で配布するのでしょうか。
それはユーザーにさらなる課金を促すためです。
???
となった方は別に間違っていません。ユーザーであればそう考えるのは当然のことです。
課金アイテムを配布すると、そもそもユーザーが支払う筈だったお金がメーカーに入らなくなるので、売り上げが減るのでは、という考え方ですね。
ただソーシャルゲームの利益の仕組みを考えると、課金アイテムを配布するのは、メーカーがさらなる利益を得るためなのです。
ソーシャルゲームが利益を得る仕組み
ソーシャルゲームが利益を得る仕組みを考えてみましょう。
- ガチャ
- コンティニュー
- ボックスの拡張
- スタミナの回復
- 時間の短縮
- 報酬の増加
ソーシャルゲームで課金アイテムが必要な項目をピックアップしてみました。これらの項目の中で、メーカーがもっとも利益を得る項目はガチャです。
他の項目のほとんどは課金アイテムを使用しなくても解決できるように作られています。でもガチャだけは時間をかけても解決しないのです。
ここでユーザーを二つに分けて考えてみます。それは課金するユーザーと課金しないユーザーです。ゲームによってこの割合は異なりますが、概ね下記のようになります。
- 課金ユーザー 全体の3%から10%
- 無課金ユーザー 全体の97%から90%
課金しないユーザーの方が圧倒的に多いのです。
では無課金ユーザーに課金してもらうためにはどうすればいいのでしょうか。
それは、課金したらどれくらい強いキャラや武器が手に入るのか体験してもらう、ことです。
課金アイテムをまったく配布していなければ、無課金ユーザーはガチャを引くことができません。強いキャラや武器を体験することがないのです。課金アイテムをある程度配布するのは、無課金ユーザーに強いキャラや武器を経験してもらうことがその狙いです。
課金することこんなに強いキャラが手に入るのか!少し課金してみようかな。
そうユーザーに思わせて、無課金ユーザーを課金という行動に誘導するために、課金アイテムを配布しているのです。
課金アイテムは毎日少量ずつ配布すると、他の項目にユーザーが使用してしまう可能性があります。
侘び石やイベントでの無料ガチャ(有料のガチャが一回だけ無料で引けるタイプ)は、ガチャに誘導しやすい形式の課金アイテムの配布といえるでしょう。
まとめ ー 侘び石はお詫びの意味と課金のために配布している
侘び石は純粋にお詫びという意味と課金を促すために配布しています。
ユーザーが課金する金額が減るのではないか、という考え方も別に間違ってはいません。そもそも課金するユーザーであれば、その分の利益は減ることになります。
ただ、それよりも課金アイテムを配布するのは、課金ユーザーを増やしたいという意図が大きいのです。
コンシューマーゲームと異なり、ソーシャルゲームでは運営で利益を得る必要があります。リリースするまでに莫大な開発費がかかっている以上、それはソーシャルゲームの宿命といっていいでしょう。
私は一応開発者なので、つい色々と気になってしまいますが、純粋なユーザーであれば、課金アイテムをゲットしたぜ!、くらいの軽いノリでゲームを楽しむのが一番いいか思います。
そして課金はゲームを楽しむ程度に、ほどほどにするのが一番よいかと(^_^)
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