宮本茂氏といえば世界的なゲームクリエイターですので、名前をご存知の方も多いと思います。名前を知らない人でも「マリオ」や「ドンキーコング」の生みの親、といえばピンとくる人が多いのではないでしょうか。
(出典 ほぼ日刊イトイ新聞)
任天堂の代表取締役でもある宮本茂氏の今の職種は、一言では言い表せないのですが、ゲームプロデューサーというのが一番妥当でしょうか。でも、宮本茂氏が任天堂に入社したときはデザイナーとしての入社だったそうです。
大昔のゲームはプログラマーが一人で作った
大昔のゲームはプログラマーが一人で作っていました。「ポン」や「ローグ」とかの時代ですね。そこからグラフィックを担当するデザイナーが加わり、さらにプランナーやサウンドデザイナーが参加するようになりました。
今はゲーム開発の仕事も細分化され、デザイナーの仕事だけでも、
- キャラクターモデル
- イラスト
- 背景モデル
- 2DUI
- エフェクト
- モーション
など多岐に渡ります。他にもアートディレクターやコンセプトアーティストなど、それこそ数多くの職種が存在していたりします。
そしてどんな職種でも、コンピュータゲーム開発において、多かれ少なかれ考えないといけないことがあります。それは、ゲームで表現できるのかどうか、という点です。
プログラムで実現できるのかどうか
私自身はデザイナーなので、プログラマーさんと話すことはよくあるのですが、プログラムのことは本質的には理解していません。昨日の記事でも数字を一個間違えて、多くの方にご指摘をいただきました。
「65535」という数字に反応するのは、ゲーム開発者か昔を知るゲーマー
モデルを実機で表示する、とか、インターフェイスのデザインを変える、くらいであれば、何の問題もありません。というか、これらはゲーム開発で日常的に行っている作業だったりします。
お話ししたいのは、ゲーム開発の初期の段階で、ゲームコンセプトを実現できるのかどうかという点です。
宮本茂氏の「ピクミン3」の実現の仕方が素晴らしい
すみません。少し前置きが長くなりました。紹介したい記事はこちらです。
宮本茂はどういうふうに構造をつくっていくのか。 – 樹の上の秘密基地 – ほぼ日刊イトイ新聞
任天堂の故岩田氏と宮本氏が糸井重里氏から、ピクミンの開発に関するインタビューを受けています。その中で宮本氏がアイデアが実現可能かどうかを、プログラマーさんと相談しています。
たとえば、ピクミンの仕様を出すとき、
「ピクミンはいろんなものを自分で考えて巣に運ぶ」
というと、中間に入ってるディレクターは
「それはたいへんです、そんな簡単にはできないです」
って答えたりするんですけど、
「網の目のようにルートを引いておいて、
最短のルートを検索できる?」って訊くと、
プログラマーは意外と
「あ、それならできます」
って言うようなことがあるんですよ。
ピクミンは私の好きなゲームのひとつなのですが、遊んでいていつも思うことがありました。
これを作るのは大変だろうなあ。どうやってアイデアを形にしたんだろう
ということでした。この場合の「アイデアを形に」というのは、ゲーム機の上で実現、という意味になります。何しろピクミンは、シューティングゲームや対戦格闘といったジャンルが確立されたゲームではありません。
宮本茂氏のプログラマーさんとの会話は、私がみても実現できるかどうか分からないというレベルから、それなら実現できるやん!、というレベルに落とし込んだものでした。
まとめ ー ゲーム開発は実現できるかどうかの戦い
私自身は今でもゲーム開発の中心になっている職種は、プログラマーさんだと思っています。いくらモデルを作ろうが、エフェクトを考えようが、プログラマーさんがいないと動かないですからね。
そういう意味では、ゲーム開発は実現できるかどうかの戦いといっていいかもしれません。
大きなところではゲームコンセプトがコンピュータゲームとして実現できるかどうか、小さなところでは、ポリゴン数をもうちょっと削ってー、みたいなところまで、ですね。
ではでは、今日はこの辺で。
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