文章を書く力は様々な場所で必要とされます。作家やライターのような専門職はもちろん、仕事での資料の作成や企画書の製作、ビジネスメール、そしてブログを書いている人にも文章力は必要です。
私自身は職種はデザイナーで、文章力が特段優れているという訳ではありません。それでも文章力を向上させたいと思い、何冊か文章に関する本を読みました。そして読んだ内容はブログや仕事でのメールに反映するようにしています。
今回は、私自身が文章を書くときに、気を付けていることをまとめてみました。私自身の文章力が向上しますように・・・
- 修飾語はかかる言葉の近くに置く
- 一つの文章に意味をたくさん詰め込まない
- 短い文が良いとは限らない
- 読点は息継ぎではなく意味で区切る
- 同じ言葉を繰り返さない
- まとめ ー 言葉がどこにかかっているかを考える
修飾語はかかる言葉の近くに置く
【修正前】
これは「明智軍記」という光秀の死後、100年以上も経ってから書かれた軍記物に由来しています。
読んでみてそれほど不自然ではありません。でも、文章をよく読むと「明智軍記」という言葉を説明している「100年以上も経ってから書かれた」が離れています。修飾語はかかる言葉の近くに置くと読みやすくなります。
【修正後】
これは光秀の死後、100年以上も経ってから書かれた「明智軍記」という軍記物に由来しています。
「100年以上も経ってから書かれた」を「明智軍記」のすぐ前に持ってきました。こちらの方がすっきりと読みやすいと思います。
上記の文章だとどちらでも意味は通りますが、修飾語の位置が不自然だと、文章の意味が分からなくなることさえあります。
【修正前】
貴重な戦国時代の城で発見した文書。
意図的に分かりづらい文章を作ってみました。このままだと「戦国時代の城」で文章を見つけたようにも読み取れます。タイムスリップしたのかな?
【修正後】
城で発見した戦国時代の貴重な文書。
「貴重」なのは「文書」です。そしてその「貴重な文書」は「戦国時代」のものですので、修飾語を正しく並べてやれば、違う読み取られ方をすることはないでしょう。
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一つの文章に意味をたくさん詰め込まない
一文一意の原則、という言葉があります。一つの文章には一つの意味しか持たせないという原則です。
【修正前】
コンシューマの開発は、チームの人数に占めるプランナーの割り合いが少ないのですが、スマホゲームの場合は多く必要で、それはいうまでもなく「運営」があるからです。
一つの文章に複数の意味が込められていて、分かりづらいですね。
【修正後】
コンシューマの開発は、チームの人数に占めるプランナーの割り合いが少ないのですが、スマホゲームの場合は多く必要です。いうまでもなく「運営」があるからです。
正確には一文一意にはなっていないのですが、途中で区切るだけでも、かなり読みやすくなります。
短い文が良いとは限らない
ひとつ上の一文一意の原則と矛盾しているじゃないか、と突っ込まれるかもしれません。でも、短い文が必ずしも良いとは限らないのです。
【修正前】
ダンジョンを探索した。ライオスは魔物を解体した。チルチャックは素材を調達した。マルシルは魔法陣で火を興した。センシはそれらを調理をした。パーティ全員で夕食を食べた。
ちょっと露骨過ぎたかな(^^;
文章があまりにも短すぎて、かえって味気ない文章になっています。
【修正後】
ダンジョンを探索した。ライオスは魔物を解体し、チルチャックは素材を調達し、マルシルは魔法陣で火を興した。センシはそれらを調理し、パーティ全員で夕食を食べた。
文章は適切な長さで使用しましょう。何が適切か分かりにくい場合は、重文と複文とを意識すると良いでしょう。重文とは主語と述語が二つある文章で、複文は構成として主語と述語を含む節がある文章です。
【重文】
魔物が現れ、冒険者は剣を抜いた。
【複文】
夜になると、少しずつ魔物が現れ始めた。
これは重文、これは複文、と意識するよりも、短文が続くと味気ないと感じたときに、適切に文章を繋げるようにすると良いでしょう。
読点は息継ぎではなく意味で区切る
読点の位置は難しいですね。息継ぎではなく意味で区切る、というのが正しい使い方です。私などはそれを知識として知ってはいても、間違って使用していることも多いと思います。
【修正前】
魔法を使えるが、魔力が少ない人は後ろに下がっていなさい。
息継ぎだけを考えると、この読点の位置は間違っていないように思えます。でも、意味で考えると間違っています。
【修正後】
魔法を使えるが魔力が少ない人は、後ろに下がっていなさい。
「魔法を使う」と「魔力が少ない」はどちらも人にかかっています。「後ろに下がっていなさい」は別の意味ですね。読点は意味の異なるところに打つのが基本ですので、修正後が正しい読点の位置になります。
同じ言葉を繰り返さない
同じ言葉を繰り返し使うと、それだけで文章が稚拙になります。
【修正前】
デザインには、意味を伝えるデザインと、見た目の美しさのデザインの二つの意味がある。
デザインという言葉が何度も出てきて、これだけで分かりにくい文章になってしまっています。
【修正後】
デザインには、意味を伝えることと、見た目の美しさの二つの意味がある。
重複している言葉を削ると、文章がすっきりして読みやすくなります。
【修正後】
デザインには、
・意味を伝える
・見た目の美しさ
の二つの意味がある。
箇条書きにするのもいいでしょう。特にブログなどのWeb系のメディアは、読んでいるのではなく見ている人が多いので、意識的に箇条書きにすると良いと思います。
まとめ ー 言葉がどこにかかっているかを考える
文章を書いていて意識しないといけないのは、その言葉がどこにかかっているのか、です。これを意識して言葉を並べるだけで、文章はすごく分かりやすくなります。
他にも、
- 「こそあど」言葉は多用しない
- 重ね言葉を使用しない
- 一つの段落には一つの話
など、意識しないといけないことはたくさんあります。
でも「言葉がどこにかかっているのか」を考えながら書くだけで、文章力は飛躍的に向上します。
私自身もまだまだ勉強中ですが、メールやブログを書くときの参考になれば幸いです。
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