異世界ものには流行があるような気がします。少し前までは異世界+転生ものが多かったようですが、今の流行りは異世界+ご飯ものではないでしょうか。
マンガだとダンジョン飯、小説だと異世界食堂がその奔りのような気がするのですが、いかがでしょうか。
(私の個人的な感想です。発売年月日を調べたわけではないのであしからず)
(出典 ダンジョン飯)
ダンジョン飯というと、ファンタジー世界を舞台にダンジョン内に巣食う魔物を食材として、水炊きやタルト、シチュー、塩ゆで、蒲焼きなどの現代的な料理方法を組み合わせて、リアリティを持たせたことで人気を博しています。
私自身も発売されたらデフォルトで購入するマンガの一つなのですが、単に異世界+ご飯ものだけではない、様々な伏線が物語に張り巡らされています。
今回は、ダンジョン飯という物語における伏線を考察してみます。あくまでも私の推測(というか憶測)なので、作者の意図とは異なる可能性があることをご理解いただければ幸いです。
以下はネタバレを含みますので、これからダンジョン飯を読もうと考えられている方はご注意ください。
ダンジョン飯における既に解決された伏線
絵画の中に居た魔術師
(出典 ダンジョン飯)
2巻で主人公であるライオスが、絵画の中に入って食事を摂ろうと試みます。その時にライオスが絵画の中の住人ではないと気づいた魔術師が居ました。印象的な魔術師だったので記憶に残っていたのですが、今回の第5巻でその正体が明らかになりました。
物語の舞台になっているダンジョンの主である「狂乱の魔術師」その人ですね。再び竜の身体に作り変えられた?可能性のあるファリンとともに今後、物語深く関わってくることは間違いないでしょう。
パーティを離れたナマリとシュローのその後
(出典 ダンジョン飯)
ライオス達のパーティは元々6人で構成されていました。
- ライオス(トールマン)
- ファリン(トールマン)
- マルシル(エルフ)
- チルチャック(ハーフフット)
- ナマリ(ドワーフ)
- シュロー(トールマン)
カッコ内は種族です。ダンジョン飯の世界でトールマンというのは、ヒューマンと考えれば良さそうです。ハーフフットは普通のファンタジーだとホビットになると思うのですが、ホビットという表記が版権の関係で使えなかったのかもしれませんね。
今のライオスのパーティはナマリとシュローが抜けて、センシ(ドワーフ)が入った4人パーティになっています。
ナマリは第3巻で登場しました。ドワーフらしいお金にシビアな面はあるものの、ウンディーネを捕まえるために協力したり、地上に戻ってからもファリンの遺体探しをしたり、新しいパーティメンバーのカカとキキの心配をするなど、人情家の面も持ち合わせています。
これからもちょいちょい物語絡んできそうだなー。
さて、第5巻では1巻以来のシュローが登場します。シュローは侍らしい衣装を身にまとい、自分のパーティを引き連れています。「坊」と呼ばれていることや、陰陽師らしい衣装の従者から過度に心配されているところをみると、かなり名家の跡取りのようです。
1巻でパーティーを離れたシュローですが、その理由はファリンを見捨てた訳ではなく、その逆でファリンに惚れていたので、彼女を助けるためだったようです。ライオスを中心としたパーティでは、彼女を助けられないと判断して、自分の従者を中心に独自のパーティを編成したのでしょう。
解決されていない伏線
ダンジョンが誕生した理由と王の懇願
(出典 ダンジョン飯)
第一巻の最初のページに1千年前に滅びた黄金の国の王を名乗る男が登場します。最初のページなので、もう忘れておられる方も多いかもしれません。私自身もすっかり忘れてかけていたので、あらためて1巻を読み直してみました。
普通に考えれば、この王を名乗る男はデルガル王であり「狂乱の魔術師」が仕える主人ということになります。
狂乱の魔術師はその言動をみても、デルガル王への忠誠心は高いと考えられます。なのになぜそのデルガル王が、魔術師を倒してくれと懇願するのか。その理由は何なのでしょうか?
ダンジョンに隠された財宝
(出典 ダンジョン飯)
4巻にナマリの新たな雇い主であるタンス(ノーム)が島主と会話するシーンがあります。
それによると、元々島の持ち主は西のエルフと呼ばれるエルフ達の領土だったようです。はるか昔にドワーフとエルフの戦争があり、エルフはドワーフから島を奪いました。その後、島の扱いに困り、上のカットに登場する島主に譲り渡したようです。
ただ、ダンジョンの存在が判明し、そこに財宝があることが判明したせいか、エルフからは島の返却を求められています。そしてその理由が財宝ではなく、迷宮にかけられた不死の術だとタンスは指摘します。
不死の術にはダンジョン飯の世界でもまだ謎が多いようです。その力を手にすることができれば、西のエルフ達をひざまずかせることができるとタンスは言います。
西のエルフ達と「狂乱の魔術師」にはどういう関係があるのでしょうか。そして西のエルフ達を跪かせることができる強大な力を「狂乱の魔術師」はどうやって手に入れたのでしょう?
カブルーの思惑
(出典 ダンジョン飯)
ごめんなさい。
ずっと雑魚キャラだと思っていました^^;
現在、ダンジョンには主に4つのパーティが存在します。
- ライオスを中心とする主人公チーム
- タンス夫妻とナマリ、キキ、カカのチーム
- シュロー率いる東方人チーム
- カブルー、リン、ダイア、ホルム、ダイア、ミックベル、クロの冒険者チーム
このうち、カブルーのチームはずっと雑魚キャラチーム扱いだと思っていたのですが、5巻では意外にも大活躍します。そしてリーダーであるカブルーはライオス兄妹に思惑があるようです。
もし4巻をお持ちの方がおられましたら、4巻の27話の表紙を見ていただければと思います。奥の座席のカブルーの表情が意味深ですね。このときからカブルーが話に絡んでくるのは既定路線だったのかもしれません。
ファリンのその後
(出典 ダンジョン飯)
これは伏線というよりは、物語のその後の展開、というべきかもしれません。
蘇生後は元の少し天然?な性格に戻ったかと思われていたファリンですが、夜中に突然目を覚まして意味不明なことを口走ります。
狂乱の魔術師からは、
- 「お前には探索の任務を与えた」
- 「おい、竜」
- 「成すべきこと成せ」
- 「今一度、新しい姿をやる」
というセリフをファリンに対して投げかけられていることから、狂乱の魔術師はファリンのことを炎竜(レッドドラゴン)と認識しているようです。そして明確には描かれていませんが、身体も炎竜に再度作り変えられてしまったような描写があります。
ファリンが再登場するときに、どちらの身体で登場するのかが気になります。
クロが唸っていた理由とホルムの「彼女」
(出典 ダンジョン飯)
カブルーのパーティには亜人のコボルトがいます。ファンタジーにおいてコボルトは子鬼のような様子で描かれることが多いのですが、ダンジョン飯の世界では犬系の亜人のようです。
そのコボルトのクロがシュローのパーティの誰かに対して威嚇しています。普通に考えれば、鬼?系の亜人であるタデへの反応かと思われるのですが、正体不明の黒子のような衣装の人物に対してかもしれません。この辺りは物語のストーリーには大きく関係しないと思いますが、伏線の一つとして考えて良いでしょう。
もう一人気になる人物が居ます。
カブルーのパーティのホルムですね。シーサーペントとの戦闘のときに、
- 「こんな状況で”彼女”を出すのは無理」
- 「変なものが混ざっちゃう」
と叫んでいます。
ノームと思われるホルムが呼び出すものは何なのでしょうね。混ざっちゃう、という発言から憶測すると水系のモンスターでしょうか。
まとめ ー 異世界+ご飯ものだけではない物語の展開
以上、いくつか私が考えるダンジョン飯の伏線をピックアップしてみました。再登場したシュローや、意外に実力があったカブルーが物語にどう絡んで来るのかも興味がありますが、それ以上にファリンのその後が気になります。
私はときどきフライングして雑誌を購入してしまうこともあるのですが、基本的にはコミックス派なので、6巻の発売を楽しみに待つことにします。
追記 ー ダンジョン飯6巻が発売されました。ファリンは異形の姿に。
ダンジョン飯6巻が発売されました。5巻では不明だった謎も、6巻ではいくつか判明しています。そしてファリンはやっぱり異形の姿になってしまいました・・・
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