開発に参加したソーシャルゲームがサービス終了しました。
といっても、最近のことではありません。私の所属する会社はゲームの受託開発の会社であり、公式には開発に参加したことは発表されていません。それもあってブログにはいつも時期を明確に記載できないのです。ご容赦いただければと思います。
現在、ちょっと脱力中なのですが(^^;、だらだらと今回のゲーム開発について書いてみます。
キャラデザから関わった案件だった
ゲーム開発案件を受託するタイミングは様々です。今回サービス終了したゲームには珍しく企画段階から開発に参加しました。
特にキャラクターデザインに参加したことが感慨深いです。普段はキャラデザは完成していて、モデリングするところから受託することが多いので。
デザインラフを作成し、プロデューサーやアートディレクターの方と何度もやり取りしました。デザインラフの作成は、会社の2Dデザイナーが数人で手分けして作成したのですが、絵の上手い下手ではなく、
- キャラデザとして優れているか
- 独創性はあるか
- 新鮮味はあるか
- 目を引く衣装になっているか
などに注力して作成していました。
あまり絵が上手くなくても、装飾などのセンスが良くて採用される案も多くあり、キャラデザと絵の上手さとはまた別のものだということをあらためて認識したりもしました。
その後は三面図の作成、キャラクターのモデリング、キャラクターイラストの作成も担当しました。私自身は開発チームのディレクターという立場でしたが、一部のキャラクターのモデリングも担当しました。
この業界にいると何度も経験していることなのですが、ゲームの中で自分が手がけたキャラクターが動くのが何よりも嬉しく感じます。
ゲームの中でのキャラクターの強さにはまったく携わっていないのですが、リリース後にユーザーがその性能を褒めたりしているのを見ると、自分ごとのように嬉しく感じていました。
みんなが開発に情熱を注いでいた
プロデューサーは有名な方で、今回のゲーム開発に情熱を注いでいました。いや、プロデューサーだけではなく開発に携わったスタッフの全員が情熱を注いでいました。
プリプロ版が完成したあと、開発に関連するスタッフが全員集まってミーティングが開催されました。そのミーティングには受託開発という立場だった私の会社のスタッフも呼んでくれたのです。しかも開発に参加しているメンバー全員でした。
受託開発の会社は、担当している箇所についてのミーティングは行っても、ゲームの内容に関するミーティングに参加することはありません。「より良いゲームを作りたい」というプロデューサーの想いから開催された全体ミーティングでした。
当時、開発に関係する会社は合計4社あり、その全員が参加したため、参加者は50名を超える大規模ミーティングになりました。
参加者が多かったため、貸し会議室を借りて行い、ほぼ一日かけて行われました。ミーティングは白熱しました。おもしろいゲームにするためにはどうすれば良いか、についてあれほど話したこともなかったと思います。
- 今まで自分が遊んだゲームで最もおもしろかったものは何か?
- なぜそのゲームをおもしろいと思ったのか?
- 今回のゲーム開発に活かせる点はあるか?
一人一人意見を発表し、どうすればおもしろいゲームになるのか、ひたすら話し合いました。
途中で、ディレクターとプランナーの意見が衝突して険悪な雰囲気になったのは良い思い出です(^^)。それだけ開発者は今回のゲーム開発に情熱を注いでいました。
成功するゲームがヒットする要因はなんだろう
この業界に20年いますが、今でもヒットするゲームの要因は分かりません。ひょっとしたら誰にもわからないものなのかもしれません。
マンガにたとえると、週刊ジャンプはプロの編集者がプロのマンガ家と組んで、ヒットすると見込んで連載をスタートさせます。それでも長期連載になることなく消えていく作品はたくさんあります。
ゲーム業界でもヒット作品をリリースしたプロデューサーの次回作がさっぱりだった、ということは普通にあります。
今回のゲーム開発に、メーカーは数億円の開発費を投じていました。キャラクターデザインも私の会社が担当したのは一部で、メインキャラクターは有名マンガ家やイラストレーターが担当しました。プロモーションムービーは大手映像制作会社が担当し、その中で使用されたアニメの製作会社も有名な会社でした。
それでもサービス期間は1年間に届きませんでした。
開発を離れたあと
ゲームの運営には参加していなかったため、サービス開始後は1ユーザーとしてゲームを楽しんでいました。課金もして、ゲーム内ではそこそこ強者にもなっていました。
自分の好きなIPとコラボしたときは、けっこうな回数ガチャを回したりもしましたw
それでも。
もうそのゲームを起動することはできません。
常にヒット作に携われる訳ではありません。そんなことは理解しています。過去にコンシューマーゲームの開発に参加していたときは、開発に参加したゲームがワゴンセールで売られていることなんてざらにありました。
それでも。
開発に携わったゲームがヒットして欲しい。
ユーザーに喜んで欲しい。
いつもそう願っています。そう思いつつ休日出勤や深夜残業を繰り返しています。
・・・今日は業界の端っこにいるイチ開発者のグチでした。
さ、また明日からがんばろう。
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