ゲーム開発者ということもあり、今でも複数のゲームで遊んでいます。コンシューマーゲームが一番好きなのですが、最近は手軽さもあって、もっぱらスマートフォンのゲームばかりです。
遊んでいるとどうしても気になるのが課金です。お金をかけるかどうかですね。
私自身はゲームの開発会社に居るので、課金などのゲームのマネタイズを考えることはありません。クライアントに納品する3Dモデルのクオリティのチェックや、エフェクト作成の仕様変更に振り回される日々です。
でも、ソーシャルゲームで遊んでいると、もっと良い課金方法はないのかがいつも気になります。
今回はソーシャルゲームの現状の課金システムについて考えてみます。
あ、考えてみるだけで、これが理想の課金システムだ!、という答えがある訳ではありません^^;
ソーシャルゲームの課金システムの種類
まずは現状の課金システムについて整理してみます。ソーシャルゲームにおける課金要素は7種類あると思います。
ガチャ
キャラクターや武器をガチャと呼ばれる抽選方式で入手します。課金というとガチャを指すくらい代表的な課金システムでもあります。
ちなみに日本では、ガチャが課金の最大シェアを締めているそうです。
時短アイテム
時間を短縮するためのアイテムの購入、もしくは課金アイテムの使用です。例えば箱庭系のゲームで建造物の建築に3日かかるところを30秒で建築できる、とか、戦士のレベルアップに1週間かかるところをすぐに終わらせるとかですね。
クエストをクリア時に報酬をより多く手に入れる、などもこれに分類されると考えて良いでしょう。
強化アイテム
ゲームを有利に進めるためのアイテムの入手です。キャラクターを強くするためのアイテムや、ゲームを有利にプレイするためのアイテムを購入します。
ボックスの拡充
キャラクターや武器を保持する上限枠を増やすために課金します。パズドラのモンスターBOXやオセロニアの駒箱などですね。
ファッションアイテム
ゲーム内のアバターの服装や身を着飾る要素への課金です。ゲームをクリアするかどうかや、他のプレイヤーと比較した強さにはまったく影響しない要素ですが、ゲームにとってはこれが最大の課金要素だったりするものもあります。
スタミナ回復
プレイによって減少するスタミナ的な要素を回復するための課金です。
コンティニュー
ゲームオーバー時にコンティニューするかどうかでの課金です。
理想は課金で差がつかない制度・・・ではない。
上記の課金の要素を3つに分けてみます。その分け方は、課金によってゲーム内でのプレイヤーの強さに影響するかどうか、です。
ゲームプレイヤーの強さに大きく影響する
- ガチャ
- 強化アイテム
この二つは課金すればするだけ有利になるといって間違いないでしょう。
ゲームプレイヤーの強さに影響がある
- スタミナの回復
- ボックスの拡充
- 時短アイテム
- コンティニュー
課金すれば多少は有利になることは間違いありませんが、他のプレイヤーと大きく差が出る要素ではありません。
ゲームプレイヤーの強さに影響がない
- ファッションアイテム
ファッションアイテムはゲーム的な強さとはまったく無関係ですね。
無課金ユーザーが必要な理由
課金すればゲームを有利に進められる、他のプレイヤーよりも強くなる、というのは私自身は必要だと考えています。でも、これには難しい問題も含んでいます。
課金すれば有利になるのであれば、無課金ユーザーが離れてしまうのではないか、という点です。
無課金ユーザーはその名の通り、ゲームに課金していません。お金を落としてくれない存在です。じゃあ、ゲームにとって不要なものかというとそうではありません。プレイヤーの9割以上は無課金ユーザーであり、ゲームを成立させるための母数として必須の存在なのです。
今のソシャゲではプレイ人口の減少がゲームの終了に繋がります。対戦形式のあるゲームでマッチングしなければ、ユーザーはやる気を失ってしまいますよね。
違う言い方をすれば課金ユーザーの対戦相手として無課金ユーザーは必要なのです。どんなに課金してゲーム内で強くなったとしても、それを知らしめる相手がいなければ、課金ユーザーはお金を使ってくれません。
露骨な書き方をすると、課金ユーザーがゲーム内で無双してドヤ顔するための負け役として、無課金ユーザーは必要なのです。
まとめ ー 今のところは時短アイテム一択
前記したように無課金ユーザーは必須です。でも、課金ユーザーが必ず勝つシステムだと無課金ユーザーが離れてしまいます。無課金で課金ユーザーに打ち勝つのを楽しみにしている人も多くおられると思います。
両方を納得させるような、理想的な課金方法がすでに存在するのであれば、すでに大手メーカーさんが導入されているでしょう。私が知る限り、そんな課金方法は今のところ存在しません。
現状では時短アイテムに重きを置いたゲームが良いのではと考えています。
時短アイテムはプレイ時間を買うと言い換えても構いません。要は時間を掛ければ、無課金ユーザーでも課金ユーザーと変わらない強さを手に入れることができるのです。私が遊んでいるゲームでは、クラッシュ・オブ・クランがそれにあたります。
クラッシュ・オブ・クランにはガチャはありません。建物を建設する速度を早めたり、建設担当である大工の導入に課金要素があります。これらに課金することで他のプレイヤーよりも有利になるのですが、無課金ユーザーも時間を掛ければ同じ強さになることができます。
まあ、今のソーシャルゲームは肥大化していて、課金要素が複数入っているのが当たり前になってきています。全てがバランス良く導入されているのが良いのかもしれません。
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