ゲーム開発の受託ビジネスは様々な形があります。ゲーム開発を一本まるごと受託するケースもあれば、キャラクターのモデルデータ作成だけを請け負ったり、メーカー内に出向して対応することもあります。
今回はそんなゲームの受託開発について、いつも悩むことを書いてみます。
プロジェクト管理で悩むのが見積もりの計算だが・・・
私自身は職種はCGデザイナーなのですが、それなりに年を食っていることもあり、プロジェクト管理や渉外担当、採用担当をしたりもしています。
プロジェクト管理で、ゲームメーカーや大手デベロッパー(開発会社)さんから仕事を受託するときに、いつも悩むのが見積もりです。
ちなみに炎上するプロジェクトの8割は不適切な見積もりから発生する、という言葉を知人が好んで使っていましたが、その通りですね。
ただ、今回は分かりやすくするために、見積もりには問題ないと仮定した上で話を進めます。
ゲーム開発の受託ビジネスの物量の計算
仮に以下のようなプロジェクトを受注したとします。
- スマホ向けゲームのキャラクターモデルの作成
- キャラクターは10体
- 1体にかかる作業日数は13日間
- プロジェクトの期間は3ヶ月
実際にはキャラクターごとにデザインが異なるので、1体にかかる作業日数は変わります。他にレア度やクラスアップなどで、同じモデルで多少形状を変えて納品することがよくあるのですが、今回は分かりやすいように上記の設定で仕事を受託したとします。
- 13日間 X 10体 = 130人日 = 6.5人月
上の式を説明すると、キャラクター1体を作成するのに13日間かかるので、合計10体で130人日になります。「人日」というのは、一人の人が作業して130日間かかるという単位です。
「人月」は一人が一ヶ月作業したときの単位です。一ヶ月の営業日は土日を除くと20日なので、130人日は6.5人月になります。
0.5人月の半端をどうすればいいのか?
今回のプロジェクトは3ヶ月という期間が設定されているので、キャラモデル担当の3DCGデザイナーを2名、プロジェクトにアサイン(割り当て)したとします。
ここで悩むのが0.5人月です。
アサインした3DCGデザイナーが平均的な能力だった場合、3ヶ月が経過した時点で6人月を使用していることになります。
- デザイナー2名 X 3ヶ月 = 6人月
プロジェクトの見積もりは6.5人月です。要は0.5人月分が不足しています。納期は3ヶ月なので、これに間に合わせるためには、もう一人追加でデザイナーをアサインする必要があります。
- デザイナー2名 X 3ヶ月 = 6人月
- デザイナー1名 X 1ヶ月 = 1人月
仮に最後の月だけ1名デザイナーを追加でアサインして、仕事を完遂したとします。
めでたし、めでたし・・・・とはなりません。
予算の6.5人月に対して、7人月のスタッフをアサインしたことになります。0.5人月分だけ余分にリソースを使用しているのですね。
この時に0.5人月分の別の仕事を入れられれば話は解決するのですが、そんな都合の良く仕事が転がっているはずもありません。
かといって、
あ、ごめん。今月は君は半月しか働かなくていいいから、給料も半分ね!
といえるはずもありません。
まとめ ー 現実的な解決方法と他社さんの対応
現実的な対処方法はいくつかあります。
- 3ヶ月の間に0.5人月分の作業を吸収してもらう
- 0.5人月分の作業だけ外注に出す
- 会社の負担と割り切って、0.5人月分の空きは有給休暇の消費に当てる
くらいが一般的でしょうか。
アサインするスタッフのスキルが高い場合は、3ヶ月の間に作業を巻きで進めて吸収してもらえると非常にありがたいですね。特に会社的に(^^;
有給休暇の消費は、受託単価にもよるので難しいところですね。経営者か事業部長クラスの判断が必要でしょう。
こういう問題に対して、他の開発会社さんがどうしているのか非常に気になります。
どうしているのかな・・・
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