有名なタイトルなのでご存知の方も多いと思います。
「100円のコーラを1000円で売る方法」のコミック版です。著者の永井孝尚氏はマーケティングをテーマとしたビジネス書を多数執筆されています。
- マーケティングに興味がある
- 最初は入門書を読みたい
コミック版ということもあり、非常に読みやすい内容なので上記のような入門書を求めている方に最適です。
100円のコーラを1000円で売る方法の概要
物語の舞台は、会計ソフトを開発販売する「駒沢商会」です。
登場人物の紹介
宮前 久美
本作の主人公。勝ち気な性格。バリバリのセールスウーマンであり、地方で営業を10年経験している。セールスの成績も良いが、自社の製品を必ずしも良くは思っていない。新製品の開発のために商品企画部に異動してくる。
与田 誠
駒沢商会商品企画部次長。
マーケティングの経験とスキルを買われ、駒沢商会に入社。上司の信頼も厚く、社内で勉強会を開くくらいマーケティングの知見も豊富。本作での宮前久美のメンター役になる。
基本的に二人のやり取りで物語が進行していきます。
宮前久美の答えに与田がダメ出しをして、勝ち気な久美がまた別の答えを持ってくる、というパターンですね。
当社の事業って何だと思いますか?
ネタバレにならない程度に内容を紹介します。
「当社の事業って何だと思いますか?」
会社勤めをされている方は、考えてみていただければと思います。自分の会社の事業とは何でしょうか。
物語に登場する駒沢商会は会計ソフトを開発、販売しています。主人公である宮前久美の答えを記載します。
「お客さんのお役に立てる会計ソフトを開発して提供すること」です
正しい答えのように思えますが、マーケティングの達人である与田の採点は0点です。
会計ソフトを開発、販売している会社なのに、上記の答えがなぜ0点なのでしょう。それは、お客さんは本当は会計ソフトを必要としていない可能性があるからです。
移動に必要なのは電車、バス、飛行機?
会計ソフトではなく、移動手段に置き換えて説明してみます。
東京から大阪に移動する手段はどのようなものがあるでしょうか。
- 新幹線
- 夜行バス
- 飛行機
現実的に考えると、この3つになるでしょう。
もし勤務先の会社がバス会社だった場合、
お客さんの役に立つようなバスでの移動を提供すること
というのが、会社の事業だと考えると「ちょっと待って」と言いたくなると思います。東京ー大阪の移動手段は他に新幹線や飛行機もあります。自家用車や夜行列車も選択肢に入るケースもあるでしょう。将来的には物質転送装置が開発されるかもしれません。
バスでの移動だけを事業として捉えていると、他の移動手段と比較して利用されない可能性があるのです。最悪の場合、バスという手段そのものが衰退していく可能性があります。
本作ではそのことをアメリカの鉄道業界を元に解説しています。
まとめ ー 読みやすいマーケティングの入門書
「100円のコーラを1000円で売る方法」の原作は2012年にビジネス本ランキングの1位にランクインしました。
原作は小説仕立てになっていることもあり、非常に読みやすい入門書でしたが、マンガ版はさらに読みやすくなっています。
個人的には「100円のコーラを1000円で売る方法」の原作3部作は発売されたときに読了していました。ところがコミック版を読んでみて、自分が忘れている内容があまりにも多いことにちょっと愕然としています。
6年前に読んだ本の内容を覚えていますか?
と問われて、覚えている、と答えられる人はよっぽど記憶力が優秀な人でしょう。
少なくとも私の記憶力はスカスカなのでw、内容の大半を忘れていました。今回コミック版を読んでみて、非常にいい勉強になりました。コミック版は原作を既に読み終わった人の再読用にもお薦めです。
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