先日、ゲームクリエイターズカンファレンスに参加してきました。ゲームクリエイターズカンファレンス(以下、GCC)とは、ゲーム開発者向けの勉強会で、毎年大阪で開催されています。
勉強会の内容はWebで公開されるものもあれば、それとは逆にWebyやSNSへの掲載を禁止されているものもあります。
今回はGCCの各講演で、Webで公開されているものをご紹介します。
- デビルメイクライ5 感情からエンジニアリング
- バイオハザードRE:2 プレイログから導かれたゲームデザイン
- スライドシェアで公開されたGCC関連記事3点
- まとめ ー Web上には有益な情報が山のようにある
デビルメイクライ5 感情からエンジニアリング
カプコンさんから2019年3月8日に発売された、デビルメイクライの最新作が「デビルメイクライ5(以下、DMC5)」です。発売からわずか2週間で200万本の売上を突破し、セールスも絶好調といっていいでしょう。
前作のDMC4が発売されたのが2008年なので、DMC5は11年ぶりの続編ということになります。ファンにとっては待ちかねた作品ということになりますね。
『デビル メイ クライ5』のクライマックスを生んだのは“ロボットアニメの感動体験”!? 伊津野Dの講演をリポート【GCC2019】 – ファミ通.com
リンクはファミ通によるGCCでのDMC5の紹介記事です。実は私はこの講演を生で聞いていたのですが、ファミ通さんのこの記事は、講演内容を的確に表現していると感じます。
感情からリバースエンジニアリングして、ゲームの演出を作るという発想が良いですね。発想というかゲームの制作手法の一つになるのでしょう。
それともう一つ羨ましいのが、開発初期に合宿をしていることです。長く受託開発をしていて、ゲームのグラフィックの一部だけを作成している私にとっては、羨ましい限りです。
バイオハザードRE:2 プレイログから導かれたゲームデザイン
ファミ通さんからもう一つご紹介します。
『バイオハザードRE:2』“プレイログ”から導かれたゲームデザインとは? 開発者がノウハウを語った注目の講演をリポート【GCC2019】 – ファミ通.com
プレイログとはデバッグ目的で収集されたデータのことです。もちろん製品版には搭載されていません。
デバッグ中にテストプレイヤーが取った行動を分析し、ゲームデザインに役立てるという手法です。バイオハザードなので、例えばユーザーがゾンビの身体のどこを狙っているか(プレイログのデータでは圧倒的に頭を狙っていた)とか、マップのどこを歩いてるのかなどの様々なデータを収集しています。
レベルデザインを担当するプランナーはもちろん、デバッグにも利用できるのでプログラマーも重宝するでしょうね。
記事では実際に、プレイログからナイフの仕様が変更したことを紹介しています。
スライドシェアで公開されたGCC関連記事3点
スライドシェアというサイトをご存知でしょうか。その名の通り、講演会などで使用したスライドをWebで公開しているサイトです。閲覧できるのはスライドのみになるので、講演者の声が聞ける訳ではありませんが、スライドだけでも参考になるものがたくさんあります。
大規模ゲーム開発におけるフリーラン実装事例
スクエニのプログラマーさんの講演のスライドです。
キャラクターの動作、特に走らせることを中心に講演されています。実際の走りや歩きのモーションデータは、3DCGソフト上では原点から移動していません。その場でずっと足踏みしていたりします。
それをプログラマーさん側で動かしてもらうのですが、そのためのノウハウが詰まったスライドです。
大規模ゲーム開発のキャラクターマテリアル制作例
スクエニのデザイナーさんによるマテリアルの制作事例です。
内容はUVの解説から、空間座標による制作例、フェイク表現などを幅広く解説されています。
私のようなすちゃらかCGデザイナーだと、UVについては、
- テクスチャの座標
- タイリング
- スクロールさせてアニメ(UVアニメ)
くらいしか思いつかないのですが(^^;、これだけ多様性があることに驚きです。まだまだ勉強が足りないなあ。
大規模ゲーム開発における大技発動仕様事例
スクエニのデザイナーさん?による大技発動の仕様の解説です。デザイナーさんの後ろに?がついているのは、スライド内の自己紹介で職種について記載されていないからです。
スライド内に、ゲームデザイナー(プランナー)向け、と書かれているのですが、スライド内容自体は大技を発動するために、背景のデータの作成手法についてなので、おそらく背景デザイナーさんだと思います。
ゲーム開発では実際に見えている背景とは別に、キャラクターが移動できる範囲などをポリゴンメッシュで持つことがあります。いわゆる「アタリ判定」なのですが、スライドではそれだけではなく、スポーンポイントやボリュームとしての分割、ゲームのトリガーとなる部分を貫通してしまった事例とその対処方法などを紹介されています。
まとめ ー Web上には有益な情報が山のようにある
GCCのような開発者向け勉強会は、同じ時間帯にいくつかカリキュラムが並んでいるので、見たくても参加できないケースがあります。もちろんGCCそのものに参加できないこともあると思います。
GCCに参加しなくても、Web上で様々な開発事例を見ることができるのは嬉しいですね。
特にスライドシェアにはGCCだけではなく、各勉強会や講演会で使用されたスライドが多数アップされているので、見ているだけで勉強になります。中にはGoogle Driveなどでパワーポイントの資料を公開されている方もいるので、本当に頭が下がります。
私ももういい歳なのですが、デザイナーとしては永遠に勉強だと考えているので、Web上での資料を生かして勉強を続けていくことにします。
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