傷んだ紙に書かれたロゴの作例です。今回の紙は素材を使用せずに、一からPhotoshopで作成しました。ロゴの作例というよりも、紙のテクスチャの作例と言ったほうがいいかもしれません。
この紙の剥がれ方をみて、あのフィルタを使ったな、とすぐにお分かりになる方はPhotoshopの上級者ですね。
雲模様から傷んだ紙を作成
最初にフィルタ→描画→雲模様1で雲模様を作成します。Photoshopのフィルタで最もよく使用するのが雲模様かもしれません。今回もお世話になります。
この雲模様で作成したレイヤーは、後でもう一度使用するのでここで複製しておきます。
レイヤーをスマートオブジェクトに変換したあとに、フィルタ→変形→海の波紋を選択します。設定は下記の通りです。
- 波紋の振幅数 10
- 波紋の大きさ 20
フィルタ→ブラシストローク→はねを適用します。設定も記載しておきます。
- スプレー半径 22
- 滑らかさ 6
最後にテクスチャライザです。
フィルタ→テクスチャ→テクスチャライザですね。
- テクスチャ 砂岩
- 拡大縮小 100%
- レリーフ 3
これで汚れたイメージはほとんど完成なのですが、このままだとコントラストが強すぎるので調整レイヤーのトーンカーブでコントラストを調整します。
調整後の画像がこちらです。コントラストが全体的に抑えられているのが確認できると思います。
調整レイヤーのトーンカーブの設定画面です。
暗いところを明るいところに寄せて平均化したいので、カーブの左下の部分を上に移動して調整してあります。
紙の剥がれの質感と枠の作成
紙剥がれの質感の作成
最初に複製した雲模様の画像に紙の剥がれの質感を出すためのフィルタを適用します。
フィルタ→スケッチ→ノート用紙と適用します。
- 画像のバランス 25
- きめの度合い 10
- レリーフ 11
フィルタ一発でできちゃうのですが、それだけに使いづらいフィルタでもあります。知っている人には、あ、アレ使ったなー、とすぐに分かるようなフィルタなので。
まあ、気にせず進めましょう。
紙剥がれのレイヤーをソフトライトに、最初に作成したダメージのレイヤーを乗算に設定します。
そして新規にレイヤーを作成し、紙の色にしたいカラーで塗りつぶします。今回はRGB(255,253,210)で塗りつぶしましたが、ここは自分の好みの色でいいかと思います。
紙の色のレイヤーの上に、紙剥がれとダメージのレイヤーを重ねます。
枠の作成
新規にレイヤーを作成し、全選択の後に選択範囲→選択範囲を変更→縮小と選択して、20pixelほど選択範囲を縮小します。
クイックマスクに変換した後に、フィルタ→ピクセレート→水晶と選択して、選択範囲を変更します。クイックマスクに変更しないと選択範囲そのものにフィルタは適用できないのでご注意ください。
クイックマスクにフィルタを作成する方法は過去にも解説していますので、参照していただければ幸いです。
折り目のある紙に書かれたロゴデザイン。紙からPhotoshopで作成します。
フィルタ→スケッチ→ギザギザのエッジと適用して、切り抜き用フレームの完成です。レイヤーマスクとして使用するので、白黒の画像にしておきます。
紙のレイヤーを全て統合したあとに、枠用の白黒画像をレイヤーマスクとして適用します。レイヤースタイルのドロップシャドウと、光彩(内側)で少し暗めの黄色を設定して乗算で適用しました。紙の端の黄ばみ感のためですね。
レイヤースタイルの光彩(内側)の設定です。
光彩(内側)は、デフォルトの設定だと光らせるような設定になっているのですが、紙の黄ばみを表現したいので、描画モードを乗算にして暗くなるように設定しています。
ロゴの作成。レイヤーマスクの反転で色替え
ロゴを作成していきます。
今回の文言は「Damaged Paper」にしました。全て大文字なのはフォントの仕様です。
こんな感じの白黒画像を作成します。統合する前の紙剥がれのレイヤーを、自動選択ツールで選択して作成するといいでしょう。
先ほどの白黒画像をレイヤーマスクとして適用し、レイヤーモードを焼き込みカラーに変更します。不透明度も55%に変更しました。
ロゴのレイヤーをコピーし、レイヤーマスクの白黒を反転します。
ロゴの色は黒で塗りつぶした後に、レイヤーモードをソフトライトに変更すれば完成です。
まとめ ー 紙のイメージの作成方法の一例
Photoshopで紙のイメージを作成する方法は、他にもたくさんあります。
フィルタの中にあるアーティスティック、スケッチ、そしてテクスチャなどを組み合わせると、簡単にイメージを作成することができます。
今回は一から紙の作成してみましたが、素材があればそれを加工するのにも利用できるので、一度試していただければ嬉しく思います。
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