ARIELを読んでいたのはいつ頃だろう。
高校生のときの友人とARIELについて話した記憶があるので、おそらく20年くらい前ですね。作家の笹本祐一氏はずっと宇宙をテーマにした小説を書いておられるようです。
ジュブナイルの王道
ジュブナイル、という言葉は今も使われているのかな。
ティーンエージャー向け小説、という意味なのですが、今では使う人の方が少ないかもしれません^^;
まあ、普通にライトノベルといったほうがいいでしょうか。
岩江市という架空のさびれた漁師町が舞台です。岩江市の高校にある日、美少女が転校してきます。美少女が転校してくるって、物語の王道パターンですね。もちろん笹本作品なので、のちに宇宙が絡んできます。
ARIELは異星人からの侵略に国立科学研究所が開発した女性型巨大ロボットが立ち向かうというストーリーでした。笹本氏は「えー、その使い古された設定で小説を書くの!?」と思わず言ってしまうような状況設定で小説を書くのを得意とされているようです。
ARIELは楽しみにながら読んでいましたが、異星人からの侵略に巨大ロボットが立ち向かう、という設定って・・・今考えると、80年台のロボットアニメのようですね。
本作でも謎を秘めた転校生、しかも美少女、というジュブナイルの王道からスタートしています。ただ、さすがに巨大女性型ロボットは登場しないようですw
印象的だったSF小説
ネタバレになるので転校生の正体は書くつもりはないのですが、異星人を扱ったSF小説でいくつか印象に残っている設定があります。
それは人間の概念が通用しない異星人との遭遇です。
異星人と会話できない、言葉が通じないというレベルではなく、コミュニケーションの方法そのものが異なるのです。
タイトルは残念ながら忘れてしまったのですが、複数のキューブ型の物体で身体が構成された宇宙人が登場します。そして会話するときは自分の身体の形状を変化させることで意思表示をするのです。
それまでに読んだ小説で「言語が異なる」という宇宙人は何度も登場していましたが、コミュニケーションの方法が異なるのは始めてだったので衝撃的でした。
もうひとつは容姿が人間のある想像の産物と類似した宇宙人です。
知識、知能、ともに高く、地球よりもはるかに発展した科学レベルを備えた宇宙人が地球にやってきます。ただなかなかその姿を見せません。地球人に対して極めて友好的であり、いくつか科学知識も給与するのに、姿を表すことだけはしません。
物語の最後にようやく姿を表すのですが、その姿は、
- 牙が生えている
- 角がある
- 耳が尖っている
- 翼がある
- 体の色は紫
- 髪はない
というものでした。要は人が想像する悪魔そっくりの容姿だったのです。
おもしろいオチだなあ、と納得しつつ読んだ記憶があります。二つとも残念ながら作品のタイトルは忘れてしまったのですが。
転校生と作品のその後の展開
少し脱線しました^^;、話を放課後地球防衛軍に戻します。
笹本作品なので当然のごとく異星人が絡んでくるのですが、1巻ではまだその正体はヴェールに包まれています。
転校生が入部する天文部のメンバーである祥兵、雅樹、マリアの三人と、顧問である女性教師の杏先生とのドタバタが繰り広げられます。転校生の正体は物語の後半に明らかになるのですが、その先は2巻以降でしょうか。
舞台となる高校の地下に潜水艦の基地があったり、天文部が訪れる展望台にも秘密があったりと岩江市自体にも秘密が隠されていそうです。
まとめ ー 現役最古のラノベ作家が描くSF
記事を書くにあたってネットで情報を探していたら、作者のインタビュー記事を見つけました。
笹本祐一氏は現役最古のライトノベル作家と名乗っておられるようです。個人的には現役最古のラノベ作家は火浦功氏ではないかと思うのですが・・・いや、火浦功は作品が出ないのでもう現役ではないか^^;
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