歴史小説は良く読むのですが、架空戦記はあまり読みません。架空戦記でも、田中芳樹氏の著作である銀河英雄伝説やマヴァール年代記、アルスラーン戦記などは好きで全て読んでいます。
私が読まないのは実際の歴史を扱った架空戦記ですね。
・・・と言いつつも、この週末に読んでしまいました(^^;
明智大戦記1のあらすじ
山崎の戦いで破れた明智光秀は家臣と敗走を続けていた。
光秀は織田信長を討つつもりはなかった。
- 比叡山の焼き討ち
- 伊勢長島での大量殺戮
- 謀反した荒木一族の誅滅
などの、織田信長の振る舞いに見かねた光秀は、主君である信長を拘禁し、自ら政務を取るつもりでいた。ところが前線で戦が始まってしまい、思いもよらず主君を討つことになってしまった。
横暴な主君を拘禁するだけならともかく、主殺しは人気がないことは光秀も理解していた。結果的に光秀の軍勢には人が集まらず、羽柴秀吉に山崎の戦いで破れてしまった。
そして小栗栖まで落ち延びてきたときに、土民の襲撃に遭う。もはやこれまで、と覚悟を決めたときに、異能の忍びが現れ、光秀を窮地から救った。
この忍びは光秀と縁が深い、四国の長宗我部元親が遣わした竹内弥藤次と石川五右衛門だった。
生き延びた明智光秀が長宗我部元親の軍師として活躍
死んだはずの武将が死なずに生き延びて、他の武将の軍師を務める、というのは割とよくあるパターンですね。
明智光秀だと多いのが、徳川家康の参謀的な立場だった南光坊天海として活躍するパターンです。ただ、この明智大戦記ではそうではなく、光秀は長宗我部元親の外交僧的な立場だった滝本寺非有として活躍します。
非有は実在の人物で、史実でも正体ははっきりしていません。長宗我部元親の家臣だった谷忠兵衛の弟ではないかともいわれています。いずれにせよ、毛利家の安国寺恵瓊と並んで、外交僧として活躍し、一対坊主と呼ばれた人物です。
明智光秀は長宗我部元親と関係が深かったことは事実なので、話の展開としてはそれほど無理はないかな。
意外と史実通りの展開が進む
あまり架空戦記を読まない、と冒頭に書きましたが、それでも何冊かは読んだことがあります。中には真田幸村が関ヶ原の戦いのように軍勢を揃えて、徳川家康と決戦する架空戦記もあったのですが、明智大戦記は、話の展開は史実通りに進みます。
山崎の戦いのあと、大きな戦いというと、
- 賤ヶ岳の戦い 羽柴秀吉 vs 柴田勝家
- 小牧・長久手の戦い 羽柴秀吉 vs 徳川家康・織田信雄
の二つがあるのですが、この二つの戦いもほぼ史実通りに展開します。光秀は軍師として影で暗躍する立場ですね。
明智大戦記というタイトルの割には、いまのところ史実を踏襲する展開です。本能寺の変で、光秀は信長を討つつもりはなく、拘禁するつもりだったのが、何者かも差金で戦闘が始まってしまい・・・といった架空の設定はあるものの、大きな史実の流れは変わっていません。
今後、大きな変更があるのか、それとも史実通りで裏で光秀が暗躍するのかどうかは分かりません。どちらになるのか楽しみでもあります。
まとめ ー 光秀が長宗我部軍の軍師として暗躍
今のところ、ほぼ史実通りに展開している明智大戦記ですが、どこかで史実と大きく外れるのか、それとも史実の裏で明智光秀が暗躍していたという物語になるのか分かりません。
ただ、どちらにしても著者の綿密な歴史設定もあり、展開が楽しみな一冊です。
ただ本編と異なるところでちょっとだけ気になるのが、表紙のイラストです。このイラストだけでかなり損をしているような気がします。
誰だ、このおっさん?
という感じがします(^^;
描いた人には申し訳ないですが・・・
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