ブログには何度か書いていますが、私の職業はデザイナーです。昔はパンフレットやポスターなどの紙のデザインをしていたのですが、今はゲーム会社に勤務しています。
インダストリアルデザインは手掛けたことがないのですが、それなりに興味はあります。工業品や日常品よりも、マンガやアニメが好きだったこともあって、ロボットやメカの造形に心が惹かれます。
そして中学生のときにある印象的なデザインを持つ作品と出会いました。
(C)KOW YOKOYAMA
なんだろう、このデザイン・・・!?
当時、中学生だった私には、それはとても衝撃的な造形を持った兵器でした。
ロボットといえばガンダムだった時代
30代、40代の男性であれば、ガンプラブームがあったのをご存知だと思います。私もガンプラにハマった少年の一人でした。休日になると街の模型屋をハシゴしました。たいてい売れ残っているのはムサイやホワイトベースで、モビルスーツを手に入れるのは至難の業でした。
そんなガンプラ少年の愛読書がホビージャパンという雑誌で、それに連載されていたのが「SF3D」でした。
「SF3D」は29世紀を舞台に、地球独立を担う傭兵軍とシュトラール軍との戦いを描いたオリジナルの企画です。
今は諸事情により「マシーネンクリーガー」と名前が変わっています。
著者は横山宏氏
著者はイラストレーターであり、模型作家でもある横山宏氏です。ゲーム好きな人であれば、スクエニさんから発売されたフロントミッションのメカデザインを担当された方、といえば雰囲気がわかると思います。
「マシーネンクリーガー」は映像化もアニメ化もされて居ないのですが、熱烈なファンが存在します。前述したフロントミッションもゲームクリエイターの坂口博信氏が横山氏の熱烈なファンだったために実現しました。
あくまでも兵器であるデザイン
当時、ロボットのデザインといえば人型が一般的でした。よくガンダムは、アニメの世界に兵器の概念を持ち込んだ、といわれますが、兵器というよりは「モビルスーツ」という名のアニメの中で設定されたマシンです。
ある人が、航空機にモビルスーツが勝てる気がしない、といっていたのですが、その言葉に何故か納得してしまうのが、ガンダムの世界観の限界でもあります。いや、私自身、ガンダムは大好きなのですが。
「マシーネンクリーガー」に登場するのは明らかに兵器です。それも特徴的なデザインを持っています。そのデザインに囚われることを「マシーネン症候群」と呼びます。これにはなんとWikiまで存在します。ま、悪ふざけですが。
Wikipedia:削除された悪ふざけとナンセンス/マシーネン症候群 – Wikipedia
その素晴らしきデザインの数々
アイキャッチ画像に使用したのはS.A.F.Sというパワードスーツです。誰もが連想するであろう洋式トイレのようなあのデザインは、横山宏氏しか創り出せなかったでしょう。
こちらは二脚歩行型の偵察&戦闘兵器でクレーテです。無人の偵察機ですが、長い砲身を持つ戦闘に特化したタイプも存在します。
ファルケという名を持つ戦闘機です。
あるメカデザイナーさんが、戦闘機をデザインするときは航空力学や揚力を考慮する、と仰ってました。ファルケは・・・考慮されていないかもしれませんね^^;
反重力装置が搭載されているという設定なので、翼のないこういうデザインでも正解なのかもしれません。いや、正解というか、もうファンである私にとっては、ファルケはこれ、という感じです。
ホビージャパンで連載されていた当時は、これらの模型を横山宏氏ご自身がモデリングされていました。特にこのファルケでは、期待の下部にある反重力装置にピンポン玉を、期待の後部にあるジェット噴射器をヤクルトの容器を使用して作られてました。
いやあ、衝撃的だったなあ。
今はさすがにプラモデルも作らなくなってしまったので、いつか3Dで「マシーネンクリーガー」に登場する兵器をモデリングしてみたいですね。
あ、やりたいことリストに追加しておこう^^
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