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中古ゲームが問題になっていたときに、ゲーム会社の中で起こっていたこと

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今のようにゲーム機がインターネットに繋がっていなかった時に、ゲーム開発者が考えなければいけない問題として中古対策がありました。この場合は中古対策とは、ゲームをなるべく長くプレイできるようにして、中古マーケットに流れないようにすることです。

 

ソーシャルゲームという言葉もスマートフォンもなかった時代に、コンシューマーゲームの開発者の苦悩の一つがこの中古対策でした。

  • ユーザーになるべく長く遊んでもらうにはどうすればいいか

ゲームのおもしろさの本質はプレイ時間とは無関係です。それでも開発者も会社員であり、ご飯を食べていくためには会社の利益を考える必要があります。

 

プレイ時間が長くなるようにして、なるべく中古市場に流れないような内容にするように

 

 

と会社から指示があると、それを考慮したゲーム製作をせざるを得なかったのです。

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中古のゲームはメーカーに利益が入らない

いつもお世話になっているWikipedia先生にお力添えいただきます。

 

 

中古ゲームはメーカーにお金が入らない。違法ではないか、という趣旨で、ゲームメーカーが裁判を起こしたことがありました。結果としては「中古品ゲームソフト売買は合法」という決断がくだされ、今はゲームショップだけでなく、家電量販店やおもちゃ屋さんでも中古ゲームが販売されています。

 

私自身は映画や音楽CD、本などの中古市場がある以上、ゲームだけが違う扱いなのはおかしいと考えていました。ただ当時はある大手ゲーム会社の中にいたので、少し複雑な心境でした。今は気にせず中古ゲームを買っちゃいますが(^^;

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その当時にゲーム会社の中で起こっていたこと

当時は下っ端デザイナーだったのですが(今もですがw)、ちょっとした事件がありました。チームのプロデューサーが突然、会社の上層部に呼ばれたのです。そして帰ってきたあと、プロデューサーは頭を抱えこんでいました。

 

その理由は上層部からゲームに中古対策を盛り込むようにとの指示だったようです。この場合の中古対策とは、冒頭に書いたように長く遊べるゲームにして中古市場に流れないようにすることです。

 

当時は今のようなDLC(ダウンロードコンテンツ)もアップデートもありません。コンシューマーゲームは発売されたときの内容が全てです。ゲームがすぐに中古市場に出回ってしまえば、巨費を投じて開発したゲームが売れなくなる、だから長く遊べる仕様にしろ、というのが会社の方針だったのです。

 

長く遊べるゲームがユーザーにとって良いゲームなのか

その後、チームのメンバー全員が集まってミーティングを行いました。ミーティングで意見は真っ二つに割れました。

  • 長く遊べるゲームはユーザーにとっても良いゲーム
  • おもしろいゲームとプレイ時間は関係ない

不思議なことに「中古市場からはゲームメーカーにお金が1円も入ってこない」「だから中古対策を入れるのは当然だ」という意見はまったくありませんでした。

 

もちろん指示をした会社の上層部の方は考えていたでしょうし、プロデューサークラスの人は頭にあったのかもしれません。でも現場の開発者はほとんどそれを考えていませんでした。

 

長く遊べるゲームが良いゲームなのかどうか、だけが論点でした。

 

まとめ ー 今も答えは分からない

結局、そのゲームは一定の中古対策を盛り込んで発売されました。身バレを避けたいので、タイトルや内容は秘密にしておきます(^^;

 

私自身は、ゲームのおもしろさとプレイ時間は関係ない、と考えています。でも、それは私が開発者の端くれだからで、純粋にお金を出して買ってくれるユーザーさんは違うのかもしれません。

 

特に自分の小遣いで買う子どもさんにとっては、長く遊べるゲームの方が良いような気もします。年齢ではなく、ゲームする時間が取れるかどうかに左右されるのかもしれません。今も私の中で答えは出ていません。

 

ただ、当時のゲーム開発者が、

  • おもしろいゲームを作る
  • 売れるゲームを製作する

ことを主眼に置いていたことは間違いありません。そこにプレイ時間という要素はありませんでした。

 

今のソーシャルゲームは運営で利益を上げないといけないので、ゲームとしての純粋なおもしろさよりもマネタイズを意識する必要があります。

・・・いや、ちょっと言葉が違うかな。

 

おもしろいゲームを作りたいのはもちろんだけど、そこにマネタイズも考えて作る必要があるのです。単にユーザーを楽しませる仕組みだけではなく、どこでお金を払ってもらうかを考えないといけないゲーム制作は、一抹の寂しさを感じます。

 

運営どころかネット接続もない時代のコンシューマーゲームの開発は、今から考えると良い時代だったのかもしれません。