夏が来ると子どもとザリガニ釣りに行きます。
場所は様々ですが、大阪の万博公園に行くことが多いでしょうか。
万博公園ではときどきフリーマケットを開催しています。家族で万博公園に出向き、妻はフリーマケットへ、私と子どもはザリガニ釣りへ、というのが我が家の定番です。
正確にいうとザリガニ釣りというよりは、生き物採集、と言ったほうが正しいかもしれません。うちの子どもはとにかく生物全般が好きで、おたまじゃくし、ヤマトヌマエビ、名前の分からない小魚、を子ども用の手アミで救っては大喜びしています。
ザリガニと万博公園の職員さん
ザリガニはなかなか捕まえることが難しいのですが、先日、万博公園に行ったときは、幸運にも大きめのザリガニを捕まえることができました。
そのザリガニをバケツに入れて、二匹目、三匹目を狙っていたときに、ちょっとした事件が起きました。
巡回していた万博公園の職員の方が話しかけてきたのです。
「大きなザリガニを捕まえたねー。すごいねー」
「捕まえたザリガニは、自然観察学習館に持ってきてね」
その言葉を聞いて、私は少し違和感を覚えました。
なぜなら、万博公園では生き物を採集しても、持ち帰りは禁じられていて、最後はその場で放してから帰らないといけないからです。
「なぜ、ザリガニだけを自然観察学習館に持っていくのだろう」
「自然観察学習館での展示用だろうか」
と考えていたのですが、ふと、その原因に思い当たりました。
私達が捕まえたザリガニは、いわゆるアメリカザリガニで、外来種なのです。
もうアメリカザリガニがすっかり当たり前になっていて、外来種という認識さえ薄れつつあるのですが、万博公園のような管理された公園では、アメリカザリガニは駆除の対象になるのでしょう。
逃がすべきか持っていくべきか
生き物採集を終えたあと、捕まえたエビやオタマジャクシたちは、元の水場に逃がしてあげました。
でも、ザリガニは。
子どもが自然観察学習館に持って行く、と言い張って聞きません。
職員の方にザリガニを捕まえたことを褒められたことが嬉しかったのでしょう。
そして、ザリガニを持っていけば、また褒められることを期待しているのでしょう。
私はその場で少しの間、悩みました。
でも生き物を簡単に駆除してしまっていいのだろうか。
子どもにザリガニを持って来させるのは何か違うのではないか。
迷った末に、子どもに正直に話しました。
アメリカザリガニは外来種で、万博公園のような公園では駆除の対象になること。
自然観察学習館に持っていったら、殺されちゃうこと。
子どもは迷った末に、アメリカザリガニを元の水場に逃がしてました。
(万博公園の職員さん、ごめんなさい)
誰でも自分を褒めて欲しい
ここで私が言いたいのは、アメリカザリガニを外来種として駆除すべきかどうかということではありません。
人は誰でも褒めて欲しいと思っていることを言いたいのです。特に子どもは強烈にそれを心に願望として持っているものなのでしょう。
ザリガニを持っていきたい、と強情なまでに言い張る我が子を見て、そう気づかされたというお話でした。
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