風邪をひくと「家族全員にうつってしまう」とよくいわれます。
でも、本当にそうでしょうか。
風邪がうつる原因をきちんと把握し、適切な対処をすれば、うつる可能性を可能な限り低くすることができます。
今回は風邪がうつる原因と、うつさないための対処方法を調べてみました。
風邪とインフルエンザは違う病気
まず風邪とインフルエンザは違う病気であるという認識が必要です。
風邪の原因は、
- アデノウイルス
- ライノウイルス
- コロナウイルス
などのウイルスに感染することによって発生します。
インフルエンザも風邪と同じ気道に感染しますが、まったく違うウイルスですし、感染経路も異なります。
インフルエンザの場合は、風邪よりも症状が重くなることがほとんどなので、インフルエンザかな、と思ったら、すぐに病院に行くことをお薦めします。
風邪の主な感染経路は接触感染
(出典 第一三共ヘルスケア)
ウイルスの感染経路は3種類が知られています。
- 空気感染
- 飛沫感染
- 接触感染
空気感染は空気中に浮遊したウイルスからの感染、飛沫感染は風邪を引いた人の咳やくしゃみからの感染、そして接触感染が風邪を引いた人が鼻水をとったり、マスクを触ったりしたときの手から他の人にうつる感染です。
このうち風邪の場合はほとんどが接触感染です。空気感染はしません。飛沫感染も可能性は少ないといわれています。風邪がうつる原因の大半が、手が原因の接触感染なのです。
風邪をうつさないための4つの対処法
手洗いをする
風邪の予防はうがいと手洗いが良いといわれます。予防にはもちろんそれでいいのですが、風邪を引いてしまったあとでは、うがいは実はあまり効果がありません。
でも接触感染を防ぐ意味で手洗いには効果があります。特に鼻水をとった後や、マスクを触ったあとは手洗いをするようにしましょう。
マスクを着用する
風邪は空気感染はせず、接触感染の可能性が高い、と書きましたが、飛沫感染はする可能性があります。
風邪を引いた場合は、家の中でも家族に風邪をうつさないようにマスクを着用しましょう。そしてマスクを触ることで手にウイルスが付着する可能性があるので、なるべくマスクを触らないようにしましょう。
個室で過ごす
風邪を引いた人には個室を確保するようにします。空気感染はしないので鍵を閉めたり、といった隔離する必要はありません。個室で過ごすようにするのは手で触る可能性がある箇所を少なくするためです。
部屋の出入り口に消毒液を置く
最近の病院では病室に入る前に、手を消毒するための噴射器が設置されています。これは入院患者への接触感染を防ぐための措置ですが、それと同じことをすればいいのです。何も難しいことはありません。部屋の出口付近に市販の消毒液を置いて出入りするときに消毒するようにすればいいのです。
消毒液は2種類のものを購入して試してみました。
圧倒的に左側のスプレータイプがお薦めです。右側のジェルタイプは、噴射口でジェルが溜まり、飛び散ることがあるのです。スプレータイプは詰まることがまずないので、まんべんなく手指を消毒することができます。
まとめ ー 手が感染経路になることを意識して行動する
健康な若い成人の被験者に、風邪を起こすウイルスの一種であるライノウイルスで汚染させたコーヒーカップやプラスチックタイルに触ってもらい、その後で自分の鼻の粘膜にも触ってもらいました。すると、コーヒーカップを触った10人中5人が、プラスチックタイルを触った16人中9人がウイルスに感染したのです。
(出典 朝日新聞)
電車で近くに座っている人が咳をすると、風邪がうつらないか心配になるでしょう。でもつり革から風邪がうつるかもしれない、と心配する人はほとんどいません。
実際は接触感染の方が可能性が高いのです。風邪を引いている人がマスクを触ったり、くしゃみを手で抑えたりしたあとに、つり革やドアノブを触れば、そこから感染する可能性があります。
風邪を引いてしまったら、家族に風邪をうつさないように接触感染に気をつけて行動しましょう。そして風邪を引いていない家族の方は、手洗いやうがい、換気や部屋の湿度の調整、といった普通の風邪の予防をしてもらうといいでしょう。
以上、風邪を引いてしまった(^_^;たろすけがお送りしましたー。
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