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ご主人は山猫姫12&13 大団円を迎えた架空戦記小説と仮面の軍師のその後

「ご主人は山猫姫」の11巻の書評を書いたのは昨年の9月でした。

12巻で北域国&帝国軍と承安軍との戦いは終結します。13巻は主人公である泉野晴凛の北域国の帰還と結婚、そして、仮面の軍師のその後が別の話として描かれています。

 

 

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あまりジャンルを気にせずに本を買う人なのですが、さすがに13巻の帯のキャッチコピーは恥ずかしいかな。写真では隠れて見えませんが、「ミーネかシャールか、初夜をともにするのはどっち!?」と書かれてあります。

あ、太字にしちゃった・・・

 

出版業界はまったくわからないのですが、帯のキャッチコピーというのは誰が考えるのだろう?

 

承安軍との戦闘の終結と北域王の結婚

この物語には大きく分けて4つの国と軍隊が登場します。

  • 北域国・・・主人公の泉野晴凛が王となり帝国に協力
  • 延喜帝国・・・物語に主舞台となる国
  • シムール・・・北域国のさらに北に位置する遊牧民族国家
  • 承安軍・・・帝国の南域にある都市「承安」を中心とする反乱軍

12巻で北域国と延喜帝国との連合軍は、承安軍を「征古原の戦い」で破ります。帝都で皇帝を僭称した菰野盛元も片付け、物語としては大団円を迎えます。

 

承安軍で一軍を率いていた女将軍の蔡蓮の投降や、菰野盛元の一族である菰野袁翔の帝都でのエピソードなど、魅力的な話を織り交ぜつつ、中世の中国をモチーフとした架空戦記はひとまず終わりました。

 

13巻は、帝都に留まり政務を担当していた泉野晴凛の北域国への帰還と、二人の后候補であるミーネ姫とシャール姫のどちらを選ぶかが主題になっています。

冒頭に書いた、初夜を共にするのはどっち、みたいなキャッチコピーが付いているのはそのためですね。

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仮面の軍師「崇鳳」のその後

承安軍の仮面の軍師である崇鳳こと沢樹延銘は、召使いの少女のムルトの機転によって命を救われます。命を救われたというか、本編では崖から二人とも飛び降りたので、行方不明という扱いですね。このムルトと沢樹延銘の後日談が、13巻で本編とは別の話として収録されています。

 

11巻の書評に、敵役が印象的な物語はそれだけで成功している、という意味の文章を書きましたが、沢樹延銘というキャラクターはいいですね。もちろん、良い人間という意味ではなく、キャラクターが確立しているという意味で。

 

それだけにムルトと沢樹延銘の後日譚が印象的です。

人を人とも思わなかった沢樹延銘が、記憶をなくし、召使いだったムルトの家臣として登場します。案外、彼の人生はそれでよかったのではないかと思わせるお話です。

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皇伏龍の退場話は蛇足だったのでは

主人公側の軍師だった皇伏龍は、帝都に巣食う鵬儀一族の元締めである鵬儀天繕を道連れに帝国からも北域国からも去ります。

でも、このエピソードは必要なかったんじゃないかなー、と思ったりしています。

 

鵬儀天繕が延喜帝国の初代皇帝の軍師に連なる一族で、帝国を陰から操っていたという設定が出て来るのですが、特に伏線があったわけでもなく、皇伏龍を退場させたいがために書いた話のように感じました。

 

どうせ書くなら、12巻で唐突に登場するのではなく、数巻に渡って鵬儀天繕と皇伏龍の頭脳戦が描かれたりしていれば、また違った印象になったと思うのですが・・・

 

まとめ ー 中世中国を舞台にした架空戦記も終結。続編は?

科挙が登場したり、登場人物の名前が漢字だったりと、「ご主人は山猫姫」は中世中国を舞台にした架空戦記といっていいでしょう。

 

物語に登場するシムールはその語感から、モンゴルかなあ、と何となく考えていたのですが、作者の鷹見一幸氏によると、西夏を舞台にした物語を書くつもりだった、とのことなので、漠然と中国北域に位置する遊牧民族と捉えたほうがいいですね。

 

タイトルとは違ってお姫様萌え萌えな物語ではない「ご主人は山猫姫」ですが、それだけに楽しく読めたシリーズでした。

 

作者によると物語の50年後を舞台にした続編の構想もあるようです。個人的にはムルトと沢樹延銘ことサーギの続編を期待したいところです^^